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46 西谷side ページ46

送るためにAに案内されながら音駒のアジトに向かった。


「じゃあ、これで。送ってくれてありがとう」


「A」


門に手をかける彼女を思わず呼び止めた。


「これ俺の連絡先!追加しとけよ!」


Aの手に連絡先を書いた紙を握らせる。


それを見たAはふわりと笑った。


俺の大好きな笑顔で。


おやすみ、と中に入っていくA。


俺も帰ろうと、振り返り歩き出す。


「…ちょっといい?」


突然、横から声をかけられた。


そちらを向くとプリン頭の男が立っていた。


…全然気配に気付かなかった。


そのことから裏社会のやつであることは分かった。


少し殺気を出して応戦態勢に入る。


「ちょっと…。俺音駒のメンバーなんだけど」


「へ?」


顔を顰めてそう言ったプリン頭に気が抜ける。


なんだよ…。


ソイツについて言って公園のベンチに座る。




「じゃあ…俺もう戻るね。

クロに怒られる…」


そう言ってプリン頭…もとい研磨は去っていった。


1人になって考える。


音駒のアジトに入っていくAの背中を見たとき、思わず呼び止めそうになった。


アイツを守らなかったこと。


1番辛い時にそばにいてやらなかったこと。


後悔しかなかった。


「好きだったんだけどなぁ」


好き、だった。


この言葉がスッと心に落ちてきた。


俺の初恋の相手。


離れてからも1日たりとも忘れたことはなかった。


「幸せになれよ、A」


本当は俺がしてやりたかったけど。


あの時そばにいられなかった時点で俺にその資格はない。


悔しいけど今のアイツは昔のアイツよりずっと幸せそうだ。


心の底からの笑顔も増えた。


アイツを変えたのは…


間違いなく音駒の人達だから。

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ミックスジュース - めちゃめちゃいい作品を有り難う御座います!これからも楽しみにしてます! (2020年11月7日 21時) (レス) id: f935ff1209 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朝夜花 | 作成日時:2020年10月31日 18時

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