【ハイキュー】仮面をつけた天才 (ページ41)

今日:8 hit、昨日:42 hit、合計:101,654 hit

41 ページ41

それから京治とは色んな話をした。

私が何故音駒にいるかも話したし、彼が何故梟谷にいるのかも聞いた。

家を出てから数ヶ月経ったところを梟谷のボスである木兎さんに誘われ、今ではサブボスをやっているそうだ。

そんな話で京治が来てから1時間くらい経った時、彼が口を開いた。

「ねぇ、A。彼には会いに行かないの？」

お茶を飲んでいる手を思わず止めた。

…動揺するな。

「彼って？」

「西谷のこと」

西谷、その名前に思わず反応してしまう。

「分かってるんでしょ。

彼も心配しているだろうし、連絡くらいしといたら？」

心配…しているだろうか。

あんな最低な別れ方をしたんだ。

そのまま4年も音沙汰なしの女のことを覚えているだろうか。

…いや、きっと覚えているだろうな。

彼は優しい。

破茶滅茶で馬鹿で無鉄砲だけど…その分誰よりも明るくて優しくて真っ直ぐだ。

でも…

「行かない。京治の方こそ分かってるでしょう？

私と彼は終わったの。お互いに新しい道を進み始めている。

それなのに今更会いに行く必要なんてない」

私は行かない。

弱いから。

彼とまた会って変わってしまうのが…

傷つくのが怖いから。