【ハイキュー】仮面をつけた天才 (ページ30)

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白布賢二郎。

彼との出会いは中学の時。

私の通っていた中学は部活動が必須だった。

特に入りたい部活もなく、迷っていたときに声をかけられたのが男子バレー部だった。

断る理由もなかったので私はマネージャーとして入部した。

『1年5組の鳳月Aと申します。マネージャー希望です。よろしくお願いします』

その時隣に立っていたのが白布だった。

私は名字で呼ばれるのが嫌いで名前で呼ぶように頼んでいた。

そんな中、彼だけは名字で呼び続けた。

『鳳月』

『白布、だから別に名前でいいって』

『は？呼び方なんて別に何でもいいだろ』

…そう言うんなら名前で呼んでよ。

そうも思ったが別にそこまでこだわりがあった訳じゃないのでそのままにしている。

中学まではそうやって白布以外には名前で呼んでもらっていたし、今では名字も変えた。

だから私を鳳月、と呼ぶのは白布だけだ。

ある時こんな話をした。

『お前何で名字で呼ばれるのが嫌いなの』

『…特にこれといった理由ないけど』

目を逸らしてそう答えると白布の目が細まった。

『あ"？嘘つくなよ。ない訳ないだろ』

彼はセッターだったから…人一倍他人の表情の変化に敏感だった。

私が嘘を見破られたのは多分…家族も含めてこの時が初めてだったと思う。