【ハイキュー】仮面をつけた天才 (ページ29)

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「おい、鳳月！鳳月待てよ！」

腕を掴まれて振り返る。

その先にはやはり…彼がいた。

「…誰ですか」

怪訝そうな顔でそう言うが、白布は気にせず話を進める。

「おま、死んだんじゃ…。生きてたのか？」

「人違いです」

そう言って再び歩き出そうとするが、腕を強く掴まれ逃げられない。

いくら私でも男の人の力には敵わないか。

「お前鳳月Aだろ？なんでここに…」

もう逃げられない。

「久しぶり…。白布」

ため息をついてそう言った。

「悪いけどこの後用事あるから。…行きましょう、夜久さん」

「待って」

踵を返すもまたしても止められた。

「すみません。夜久さん？5分でいいんでこいつ貸してください」

そう言うとこっちの返事も聞かずに私の腕を引っ張る彼。

少し離れた裏路地まで行くと、ようやく手を離した。

「…で、どういうことだ？」

「…行方不明になったけど死んではない。逃げてきた」

本当のことを話す訳には行かないので適当に流す。

「なら何で家や警察に行かなかった？一緒にいたさっきの男も誰だ？」

「逃げてきたのは最近だから。もう捜査終わってるのも知ってたし、家は引っ越したみたいで連絡つかない。あ、それとさっきいたのは私を保護してくれている人達の1人。…味方だから」

よくもまぁこんな嘘をペラペラと喋れると思う。

「…ならいいけど」

そう言って身を引いた彼に別れを告げて夜久さんの元に戻る。

後に私はこの行動をとても後悔することとなる。