【ハイキュー】仮面をつけた天才 (ページ16)

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後藤組のアジトは古臭く、これなら簡単に入れそうだな、と思った。

『ほら、行くよ』

…どっちが年上なんだか。

私は女だからと舐められるのが大嫌いだった。

どうしても女は力や身体能力では男に負ける。

だから国見英が私のペースに合わせて遅めに走っていることに少なからず嫌気が差した。

『私のペースに合わせないでいいですよ』

『なんで？』

防音の非常階段に入った時にそう言うと、彼は首を傾げてこちらを向いた。

『…じゃあ逆に聞きますけど。なんで私のペースに合わせているんですか？』

『女の人が俺のペースについて来られるの？』

そう言われて思わず顔を顰めた。

『舐めてるんですか？』

足を進めながらそう言った。

『私女だからって舐められるの、大っ嫌いなんです』

多少引き離されても護衛は出来ますし、貴方なら1人でも平気でしょう？

そう続けると前を歩いていた彼の足が止まった。

『…なんですか？』

『あのさぁ』

そう言って彼は振り向いた。

『女だから舐めてるとかそういうんじゃなくてさ、俺なりの気遣いじゃん。

あんたがなんで舐められるのが嫌いかとかは知らないけどさ、女はどうしても男にそういう面では劣るんだから』

彼は再び前を向くと銃を構えて扉で止まった。

『ここ出るとすぐボスの部屋だから』

彼がドアに伸ばした手を掴んだ。

驚いたようにこちらを見る。

『ありがとう…英』

そう言うと彼は驚いた後、ふわりと微笑んだ。

『やっと敬語外した』

じゃあ行くよ、と銃を構え直して先へ進んだ。