【ハイキュー】仮面をつけた天才 (ページ12)

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懐かしい声に名前を呼ばれそちらを覗くと、知り合いである国見英がいた。

「…英？」

隠されていることも忘れ、思わず前に出ると青城組の他のメンバーに囲まれた英がいた。

「久しぶり」

英がそう言った直後、いつのまにか背後に来ていた岩泉さんに口を塞がれ、持ち上げられた。

「岩ちゃんナイス～」

及川さんのその声に音駒のメンバーが顔を顰めた。

「おい、そいつは俺らの仲間だ。気安く触るんじゃねぇ」

殺気を含んだ黒尾さんの声に他のメンバーも臨戦態勢に入った。

「Aちゃんは俺らのところに来た方が幸せだと思うんだよね」

…余計なことを。

「君達Aちゃんの何を知っているの？青城の方が彼女を分かってあげられる」

ね、とこちらを見てウインクをかます及川さんを思わず殴りたくなった。

すると、その願いが通じたのか岩泉さんが及川さんの頭を思いっきり叩いた。

「いったー。何すんのさ、岩ちゃん！」

頬を膨らませる及川さん。

正直気持ち悪い。

「キモいです、及川さん」

英のその言葉に思わず頬が緩んだ。

何年経ってもなんだかんだで気が合うのは変わらないようだ。

「ま、そういうことで。金田一」

「はい」

相変わらずのらっきょヘッドが前に出ると弾を床に叩きつけた。

「くっ、おい、A！」

「睡眠薬だ‼」

黒尾さんや夜久さん、リエーフさんの騒ぐ声が聞こえたが、及川さんは扉を閉めて出て行った。