酔っぱらいの眠り姫は心臓に悪い。-izw ページ11
今日は珍しく株式会社QuizKnockの飲み会が開かれていた。
普段メンバーで飯を食べに行くことはあるのだが、なかなか“飲み会”と銘打って行なう機会は少ない。
それぞれ飲んだり食べたりして、オフィスにいる時よりも饒舌な従業員達に、たまにはこういう社外でのコミュニケーションを取れる場も悪くはないなぁと思った。
俺の隣に座っていた可愛い彼女は、いつの間にやら真っ赤な顔をしたナイスガイとこうちゃんの間で大爆笑をかましている。
彼女の飲酒を許してはいなかったし、事実彼女の手に持っているグラスはオレンジジュースのはずなのに。
なぜか彼女は、隣の酒飲みと同じくらい顔を真っ赤にしてハイテンションで笑っていた。
おそらくだが、あまりに酒に弱すぎて隣の人の飲む酒の匂いだけで酔っ払ってしまったのだろう。
そんなことあるか?と半信半疑になりながらも、チラリと彼女を見つめると酩酊状態なのは一目瞭然。
これは他の男に絡み始める前に、一刻も早くこの場から離れた方が良い。
やれやれと息を吐きながら立ち上がった俺は、須貝さんと彼女の間に割って入る。
「Aちゃん、もう帰ろう」
そう伝えると、彼女はとろんとした目で俺を見つめた。
『…帰る?なんで?こんなにたのしいのに』
焦点の合ってない視線と呂律の回らない口調に、これはやばいと焦った俺は彼女の腕を強く引っ張った。
「いいから。ほら帰るよ」
『やだー!もっとみんなとはなすのー!』
酒に酔った途端にこれだ。
普段あれだけしっかりしているにも関わらず、こうなると幼子のようになってしまう彼女のギャップに、俺は内心心臓がバクバクだったがなんとか平静を装っていた。
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作者名:Annie | 作者ホームページ:https://twitter.com/kmu_annie?s=09
作成日時:2020年8月5日 12時