Episode27+極論を言うと3択+ ページ28
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「ふぅん、それでA君はどうしたいんだね!?」
それが一番大事なことだよね、とキッシュを食べる手をとめ、巴は少年の頭をそっと撫でた。巴の手から感じる温もりに少年はいつかの日に感じたあの手のぬくもりを重ねていた。それはそれは温かく、暗闇から救ってくれたあの
『僕は……』
どうしたいのだろう、少年は首を傾げる。UNDEADとしてユニットデビューした当初からひしひしと感じていたものが、実際に自分の目の前に形を成して現れた。それをすぐに受け止めきれないのは少年だけが特別な話ではない。現にジュンは話を聞き、現実に絶望したような顔をしている。
だけど、もし……夢ノ咲のあの抗争時代を生き抜いてきた彼らなら、それを跳ね返す力も知識も何もかも持っているのかもしれない。けれども、少年もジュンも、いうなればまだ新人。そんな二人を前にして、巴は整った顔を不愉快そうに歪めた。それは彼ら二人に対してではなく、きっとあの当時のことを思い出してのことであろう。
「……もし。A君が嫌だ、辞めたいと思うなら ぼくの所へ来るといいね」
少年の言葉を待たずに巴は続ける。
巴の言葉に、少年は明らかに動揺した。……まるで、自分の内心を見透かされたかのような、不安げで落ち着きのない瞳が、目を伏せた巴を映す。
「もしもの話だけどね!! ぼくの専属シェフになってほしいくらいだからね」
お茶目にウインクをした巴に、もう!!、とジュンは固くなった表情筋を無理やり動かした。きっと巴なりに空気を換えようとした、……いや本気かもしれない。
「とりあえず、移籍するのか、アイドルを辞めるのか……早く決めた方がいいね」
『アイドルを、僕が……?』
「君がその問題さえも乗り越えて糧にするか、辞めて聞かないようにするか。はたまた、ぼくたちのEveに移籍するしか方法はないね」
「ったくもう、極端すぎますよ、おひいさん」
「まったくジュン君は悠長すぎるね!! どこに転ぶにしても早い方が彼のためだね」
ジュンが少年の表情をゆっくりと窺う。展開が早すぎて正直、少年は頭が追いついていないようだが、それでも巴の言わんとしていることだけは否が応でも理解できたようだ。
持ち帰って考えたい、とそう申し出た少年に巴は、にこりと微笑んだ。
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若宮(スイス/シャラルー☆)(プロフ) - Seturoさん» 入力前の状態ですと、デフォルトで『なまえ』という表記になってしまいます。『カタカナで』の欄も同様です。今一度、ご確認の方よろしくお願いいたします。入力してもなお、『なまえ』という表記のままであった場合には、またコメントを頂ければ助かります。 (2022年10月25日 19時) (レス) id: 6137a49408 (このIDを非表示/違反報告)
若宮(スイス/シャラルー☆)(プロフ) - Seturoさん» こんばんは。コメントありがとうございます。単刀直入にお話しますね。『なまえ』という文字から変わっていないとのことですが、全Episodeの一番下〜評価のすぐ上の『ひらがなで』という欄の入力はお済みでしょうか? (2022年10月25日 19時) (レス) id: 6137a49408 (このIDを非表示/違反報告)
Seturo - すいません💦多分主人公の名前が入るところが、なまえって文字から変わってないです💦 (2022年10月25日 17時) (レス) @page40 id: c7673ae0d0 (このIDを非表示/違反報告)
乱数(プロフ) - んん……身長は、165~168cmとかがいいんじゃないかなぁ…と思いますね……無理に変えなくていいですよ!? (2020年12月24日 4時) (レス) id: a4b666bcbc (このIDを非表示/違反報告)
シャラルー☆(スイス)(プロフ) - 乱数さん» コメントありがとうございます。あんスタの中では全体からしたら中間的身長ですし、アンデの中ではちびっこなので……(汗)設定的にはちょっぴり高くできたかな…?程度なんですよね。でもまあ、私的にも170cmは高いのでは?なぁんて思っちゃってます笑 (2020年12月16日 22時) (レス) id: 705dc09b7e (このIDを非表示/違反報告)
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