どうせ愛なんて

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side.緑
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赤「とも？ どうかした？」


緑「あ、いや…」






大学の帰り、新しく駅前に出来たシュークリーム屋さんで10個程シュークリームを買ってもらった。




大毅の家には結構な頻度で来てるし、泊まったことやって何回もあるから今さら緊張なんてもんはないけど。





やけど、








緑「…」




ここに来ると嫌でも想像してしまう。





この家で、




寝室で、








恋人とそういう行為をする大毅の姿を。






恋人同士、そういう行為くらいするやろう。





…いくらその恋人が男やったとしても。









赤「はい、コーヒー」


緑「ごめん、熱あるのに色々やらせてもうて」


赤「平気やって」





大毅が入れてくれたコーヒーは、当たり前のように甘い。




俺がブラック飲めへんの知ってるから。








緑「…」





そう、当たり前のことやった。







大毅は俺のことをなんでも知ってくれていて、




俺も大毅のことをなんでも知っている。









当たり前のことやと、





そう思い込んでいた。







大毅を守り、幸せにしてやれるのは俺だけやと。









…そう思っていたのに。







緑「っ…」





大毅は、俺以外の人を愛した。

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