どうせ愛なんて

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side.桃
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ガタンッ！ っと音がして、慌てて洗面所まで走る。





桃「大毅さんっ！！」






大毅さんはバスタオルに包まって、蹲っていた。








桃「大丈夫… やないですよね、 えーと……」





こんなん、初めての経験すぎて戸惑いしかないねんけど。







桃「…先、髪の毛乾かしましょうか。 そのまんまの体勢でええですよ」






あんだけ吐いとったら、そりゃあこうなるわな… なんてまた色々考えながら大毅さんの髪にドライヤーを当てる。






桃「熱かったら言うてくださいね」


赤「…」






相変わらず大毅さんからの返事はない。









桃「よし。 ……って、大毅さん？」





あらかた乾いて、大毅さんに声を掛けると






桃「…寝た？」




すぴすぴ言うとる。








桃「ちょっと大毅さんー…」





さっきと同じように揺すっても、今度は起きない。







桃「えっと… ちょっと失礼します、」






チラッとバスタオルを捲ると、





桃「やっぱり…っ！」







大毅さんは裸やった。







桃「え…？」





そしてもう1つ。









大毅さんの身体には無数の傷痕があった。






煙草を押し付けられたような痕、殴られたような痕、縛られたような痕。





色んな痕が。








" 男と付き合ってるんちゃう？ "





前にした誠也との会話が頭に浮かんでくる。









大毅さん、






一体あなたはどんな生活をしてるんですか？

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