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side.黄
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黄「17ってことは今年から高校3年生か?」
赤「うん、学校行ってたらの話やけどね」
黄「行ってへんの?」
赤「行ってへんの」
こんなんやからさ、って点滴してる方の腕を少し上げて笑うしげ。
黄「悪いな、こんな話してもうて」
赤「ううん、全然」
こうして笑いながら話してるしげは点滴を除けば普通に元気そうやのに。
黄「…大丈夫なん? 身体」
赤「身体、ねぇ…」
彼は相変わらず笑っている。
赤「あと1年、生きられたらラッキーらしいで」
黄「…は?」
頭の回転は速い方やのに、今の言葉だけはすぐに理解出来ひんかった。
赤「あ、これ嘘ちゃうからな」
一体何が面白いというのか。
しげのニヤニヤは止まらない。
赤「まぁそんな嘘なんかつかへんよ、流石に」
黄「そう、やったんや…」
赤「そうやったの」
そう言われてしまうと、もういくら笑っていてもそういうフィルターをかけて見てまうからなんとも言えんような気持ちになる。
おかしいくらいに真っ白な肌、ちょっと力を加えたら折れてしまいそうなほどの手首の細さ、痛々しい点滴の痕。
さっきとは裏腹に、どれを見ても納得してしまう。
赤「風邪なら絶対治るもんなぁ」
さっきのしげの言葉。
俺は治る。 ちょっとした心の風邪やから。
やけど、しげは。
しげは治らないんや。
まだ高校生やのに。
まだまだこれからやのに。
赤「…淳太って真剣な顔、あんま似合わへんよね」
黄「は?」
やのに、すぐこういうことを言ってくる。
無理して強がってるんやろうか。
赤「……くふふっ 、」
いや、強がってへん訳がないやろうなぁ。
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rainbow(プロフ) - 何度読んでも毎回泣いてしまいます(泣)こんな素敵な作品に出会えて幸せです。素敵な作品ありがとうございます! (2021年12月24日 8時) (レス) id: 92cfee10c1 (このIDを非表示/違反報告)
モム(プロフ) - あーさんさん» コメントありがとうございます( ; ; )1年経った今でも読んでくださって、嬉しいコメントを頂けるなんて… すっごく嬉しいです、ありがとうございます( ; ; ) (2020年4月4日 9時) (レス) id: dc108877f5 (このIDを非表示/違反報告)
あーさん(プロフ) - こんな夜分にすみません。作成から一年経った今読ませていただいたのですが、切なさというかなんというか最後特に一つ一つが心に染みて号泣してしまいました。素敵なお話ありがとうございます (2020年4月4日 3時) (レス) id: aeab4f87a2 (このIDを非表示/違反報告)
モム(プロフ) - けーた。さん» いつも温かいコメントありがとうございます( ; ; )そんな風に思って頂けて私も幸せです( ; ; ) (2019年6月15日 18時) (レス) id: 42274ec8ec (このIDを非表示/違反報告)
モム(プロフ) - 重岡澪那さん» コメントありがとうございます。最後まで読んで頂けて嬉しいです( ; ; ) (2019年6月15日 18時) (レス) id: 42274ec8ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:モム | 作成日時:2019年3月30日 20時