HAPPY END .

13. ページ13

side.黄
_


「退院おめでとうございます！」


「無理だけはせずに、何か気になったことがあればいつでも来て下さいね」








晴れて、退院の日。





色々な祝福のメッセージを頂きながら、退院の手続きを済ませていく。









辛くて、苦しかった入院生活。





…のはずやのに、何故だか少しだけ名残惜しくなる。









黄「……あ、」






そうやん。





しげや。









しげのおかげで入院生活がだいぶ楽になったんやし、




しげのせいで入院生活が少し名残惜しいんや。







このちょっとした心の風邪が治ってきたのも、しげのおかげ。







まぁいうても、まだまだ通院せなアカンし、この病院にはお世話になるんやけどな。






一応、しげにも退院の報告をしようと思って病室に向かう。









黄「しげー？ 入ってええか？」





コンコン、とドアをノックすると








赤「………ん 、」




と、小さな返事が返ってきた。








あ、









調子悪いんや。









黄「調子悪いやろ？ ごめんな、ちょっと報告しに来たんやけど…」






起き上がれずに、目だけをこちらに向けてくるしげに退院のことを伝える。









黄「…しげがこんな時に言うことやない気もしてんけど、」






けど、けど、 と纏まらない日本語で必死にしげに伝える。









当のしげは、静かに笑っていた。

14.→←12.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す