☆助けたくて ページ8
最後に宿に泊まってから何時間だろう·····。
体力も魔力もかなり消耗しているが、目的地まで一気に進もうとしている。
空腹もひどい。
もはやトーポのチーズでもいいから食べたい。
Aはそんな考えをめぐらせてるうちに魔物が道を塞ぐ。
「わっ!」
Aに向かってじんめんじゅの腕が伸びる。
近くにいたククールはとっさにAの腕をとって走り出す。
「分が悪い、みんな走るぞ!」
--―
エイト達はなんとか魔物達の包囲から抜け、息を整えた。
「ククール、さっきはありがとう」息を切らし切らし、Aはそう言ってククールを見ると、
腕を抑えている。
「ちょっと見せて!」
Aは息が乱れたことも忘れて珍しく大きな声でそういった。
エイト、ヤンガス、ゼシカも驚いて集まる。
Aと魔物から逃げる際に庇い、右腕がざっくりいったようだ。
「まだまだ美しいレディと遊んでからじゃないと死ねないぜ」
「元気そうでなによりだわ。A、回復できそう?」
おどけるククールやゼシカの話を聞く間もなく、
Aは意識を集中させてホイミをかけている。
「絶対に治すから」
正直ホイミじゃきついかもしれない、一同がそう思う中、傷はみるみる塞がっていく。
痛みが軽くなるのを感じながら、
ククールはAの顔をじっと見ていた。
さっきまで怖気付いた顔をしていたくせに、僧侶らしいじゃないか。
大方良くなると、一転して真剣な表情を緩ませて
泣きそうな目で「大丈夫そう?」
とオレの顔を覗き込んでくるもんだから調子が狂う。
「今のホイミすごい回復力だなあ」エイトが呟く。
「なんならベホイミじゃないの?」「だよな」
ゼシカ、ククールからも言われ、
Aはようやく自分がベホイミを習得したことに気づく。
「アッシもお願いしたいでげす!」
と寄ってきたヤンガスもなかなか傷だらけだ。
守られるのではなくて、皆をしっかり守れるようになりたい。
そう誓いながら、パーティーの役に立てる嬉しさからAは笑顔でみんなをまんたんにした。
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yuki(プロフ) - 雪娘さん» はじめまして!読んで頂いて、とても嬉しい感想まで送っていただき、本当にありがとうございます!!私自身、ゲームを再履修しつつ楽しみながらまったり更新していますが、まだまだ続く予定ですのでよろしければ楽しんでいってもらえれば幸いです。 (2022年7月1日 13時) (レス) id: 83e0478cb4 (このIDを非表示/違反報告)
雪娘(プロフ) - 初めまして。最近ドラクエにハマって、ククール好きかもと思っていたところに私好みの文章と夢主な作品だったので思わず感想送ってしまいました。続き楽しみにしてます。 (2022年7月1日 3時) (レス) id: 4b3493cea0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yuki | 作成日時:2021年12月30日 23時