42.今更気づくなんて-リブルアーチ- ページ47
エイトやヤンガスよりも前に出てAはどんどんゼシカに近づく。
あいつ、オレの回復でもう魔力はそんなに残っていないはずだが…。
遠のくAの背中から目が離せない。さっきの笑顔といい、何かがおかしい。
今すぐ走って連れ戻したいが、思うように体が動かねえ。
ライドンの塔に向かう前から度々考え込んでいる様子を見かけてはいたが、ゼシカのことだと思っていた。
ただ今になって急に、泉でミーティアがAの心配をしていたこと、書庫で言いたいことがある様子だったのを思い出す。
なにか仕掛けるつもりだ。
そうこうしている間に、Aはもうこちらを気にすることもなく、意識を集中させている。
残り少ないはずの魔力とは思えない眩いほどの力が満ちてくるのがわかり、
嫌な予感とは裏腹に、Aの姿は神々しくすら見える。
聖堂騎士団で、僧侶が身につける呪文については一通り習ったことがあった。
まさかな。
そんなはずないと思う気持ちと、これまで大抵悪い予感は当たってきたという自負が交差する。
もしAが命を落としたら。そう考えると痛みなんか忘れて走り出していた。
オディロ院長の事件以来、見たくなかった月も、Aが綺麗と言えば何ともなく思えた。
騎士団の時とは違って、トロデーン城では本気でAのために祈った。
1番体力がないくせに自分の回復は後回しにして、仲間のために呪文が暴走するようなお人好しがこの世界にいることを知った。
気づく機会はたくさんあったのに、オレがAとの気持ちにしっかり向き合わなかったのは、失うのが怖かったからだ。
こんな時になって、やっと気づくなんて。
さっきまでリーザスの塔で笑ってたAを思い出して胸が締め付けられる。
間に合えと祈りながらひたすら走っていた。
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yuki(プロフ) - 雪娘さん» はじめまして！読んで頂いて、とても嬉しい感想まで送っていただき、本当にありがとうございます！！私自身、ゲームを再履修しつつ楽しみながらまったり更新していますが、まだまだ続く予定ですのでよろしければ楽しんでいってもらえれば幸いです。 (2022年7月1日 13時) (
レス) id: 83e0478cb4 (このIDを非表示/違反報告)
雪娘(プロフ) - 初めまして。最近ドラクエにハマって、ククール好きかもと思っていたところに私好みの文章と夢主な作品だったので思わず感想送ってしまいました。続き楽しみにしてます。 (2022年7月1日 3時) (レス) id: 4b3493cea0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuki | 作成日時：2021年12月30日 23時
