40.死闘-リブルアーチ- ページ45
ゼシカからの呪文は止まることを知らない。このままじゃ…。
思いの外魔力を消耗してしまっているが、回復を休める暇がない。
「そう回復されると長引いちゃうわねェ…」
ゼシカは悪巧みをするような顔で、後方のAに急に近寄り、腕を掴む。
もう片方の手から今にも繰り出されそうな近距離でのメラゾーマを見て、目を閉じてすくむAとは対照的に笑うゼシカ。
「やめろ！」叫んで駆け寄るククールに、Aに撃つはずだったメラゾーマが放たれる。後ろからエイトとヤンガスが仕掛けて、腕を離されたAは急いでククールに回復する。
仲間同士なのに、私たちとゼシカどちらかが倒れるまで続けなければいけない戦いなんだ。
急所は避けたものの、いつになく手負いのククールの回復をしながらAは「ごめんね」と涙を堪える。
ここで共倒れになったら。
茨に覆われたトロデーン城、石になったままの妹のユイ、城の人たちはきっと誰にも助けられないまま朽ちていってしまう。
王様や姫様の呪いも解けないまま、みんなで旅をしてきた過去も、全てが無に帰す。
もうホイミ1回分があるかどうかの魔力になってしまった私にできることは…。
Aは立ち上がり、ゼシカの方に向かう。
「おい、どうしたんだよ…。危ないだろ…。」
「さっきは助けてくれてありがとう」止めるククールに向かい、そう言って振り返ったAは意外にも笑顔だった。
その姿は全身傷だらけで、自分の回復は後回しにしていたことを知る。
「上手くいくといいんだけど。」呟いてさらに前に進むA。
Aを止めないと。かなりイヤな予感がする。
その思いとは逆にククールの体はまだ思うように動かない。
41.切り札-リブルアーチ（回想）-→←39.対峙-リブルアーチ-
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yuki(プロフ) - 雪娘さん» はじめまして！読んで頂いて、とても嬉しい感想まで送っていただき、本当にありがとうございます！！私自身、ゲームを再履修しつつ楽しみながらまったり更新していますが、まだまだ続く予定ですのでよろしければ楽しんでいってもらえれば幸いです。 (2022年7月1日 13時) (
レス) id: 83e0478cb4 (このIDを非表示/違反報告)
雪娘(プロフ) - 初めまして。最近ドラクエにハマって、ククール好きかもと思っていたところに私好みの文章と夢主な作品だったので思わず感想送ってしまいました。続き楽しみにしてます。 (2022年7月1日 3時) (レス) id: 4b3493cea0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuki | 作成日時：2021年12月30日 23時
