32.夕暮れさんぽ-リブルアーチ- ページ37
しばらくして、Aは屋敷の外から出てきた。
「よう」
「ククール！？」
すらりとした足と、聞き慣れた声で直ぐにわかる。
「入ってくのが見えてたから待ってたんだ」
「あ、そうだったんだ·····」
Aは、一瞬安心したような、でも浮かないような表情を浮かべてる。
「屋敷で何してたんだ？」
ククールが尋ねると、Aは少しぎこちなくあたふたする。
「えーっとね、私が覚えた呪文が何なのか、もしかしたらハワードさんならわかるかもと思って聞きに行ったの」
なるほどな、たしかにあのおっさんなら呪文については詳しそうだ。
「で、何だったんだ？」
「うーん、結局わからなかった」
「そっか」
そのうちわかるだろ、とククールは答える。浮かない顔をしていたのは呪文の正体がわからなかったからだったのか。
それともゼシカのことを気に病んでいるのか。
Aは1人で背負い込んでしまうから、というミーティアの忠告が何故か唐突に頭に浮かぶ。
「けっこう待った？寒いのに待たせてごめんね」と申し訳なさそうにAはこちらを見上げる。
「そんな待ってないって。暗いし危ないだろ」
「ありがと」
ククールの横を歩きながらリブルアーチを見渡す。真っ暗になる少し手前の、青に街が染まる時間。1人で歩くには少し怖いが、今は世界に2人しか居ないようで幻想的な景色だ。
ククールと2人だけで歩く機会なんてもう無いのかも。
暗い中に映える銀髪と相変わらず綺麗な横顔を見る。
宿についてしまうのが名残惜しく感じて、少し悲しくなった。
33.石像？-ライドンの塔-→←31.屋敷への招待-リブルアーチ-
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yuki(プロフ) - 雪娘さん» はじめまして！読んで頂いて、とても嬉しい感想まで送っていただき、本当にありがとうございます！！私自身、ゲームを再履修しつつ楽しみながらまったり更新していますが、まだまだ続く予定ですのでよろしければ楽しんでいってもらえれば幸いです。 (2022年7月1日 13時) (
レス) id: 83e0478cb4 (このIDを非表示/違反報告)
雪娘(プロフ) - 初めまして。最近ドラクエにハマって、ククール好きかもと思っていたところに私好みの文章と夢主な作品だったので思わず感想送ってしまいました。続き楽しみにしてます。 (2022年7月1日 3時) (レス) id: 4b3493cea0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuki | 作成日時：2021年12月30日 23時
