28.一人欠けた朝-サザンビーク- ページ33
「おーい、朝だぜ」
遠くから聞こえるような声で目が覚め、
ぼんやり目を開けるとうっすら赤い色が見える。
あれ、ククール·····?
寝起きで完全に気が抜けた顔を見られてしまったことに気づき、慌てて飛び起きる。
戦闘の疲れで泥のように寝てしまっていたようだ。
「おはよ」と、Aとは正反対に身支度が完璧なククールは言う。
思いのほかククールが近くにいて恥ずかしさに布団で顔を隠した。
「ごめん·····。完全に爆睡しちゃってた。呪いのこと調べなきゃだよね、すぐ準備するね」
「いや、昨日の今日でゆっくり寝させてやりたかったところだが」
そこで言葉が途切れるククール。
不思議に思い、思わずAは布団から顔を上げてククールを見る。
「ゼシカが見当たらないんだ」
突然の話に更に頭が混乱する。
寝起きの姿を恥ずかしがっていた先程とはうって変わってAは宿屋内のゼシカの居そうな場所を探し出すが、やっぱり居ない。
「オレ達もまだ街をざっとしか見てないから案外すぐ帰って来るかもしれねえけど。ちょっと探してみようぜ」
ククールの言葉でAは急いで外に出る支度を始めた。
そう言えばドルマゲスを倒した後、ゼシカは浮かない顔をしていたな·····。
敵討ちを果たしても案外気分は晴れないのね、と呟いていた事を思い出す。
それに、エイトやヤンガスも心配そうな表情をしているから、きっと思い当たる場所はもう探したんだろう。
Aの不安な顔を見て、ククールはAの肩をぽんと叩き話す。
「ドルマゲスを倒したからって、急に出ていくようにも思えないしさ。それにそんな遠くにはまだ行けないだろ」
と仕切り直し、エイト達は改めて捜索することにした。
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yuki(プロフ) - 雪娘さん» はじめまして!読んで頂いて、とても嬉しい感想まで送っていただき、本当にありがとうございます!!私自身、ゲームを再履修しつつ楽しみながらまったり更新していますが、まだまだ続く予定ですのでよろしければ楽しんでいってもらえれば幸いです。 (2022年7月1日 13時) (レス) id: 83e0478cb4 (このIDを非表示/違反報告)
雪娘(プロフ) - 初めまして。最近ドラクエにハマって、ククール好きかもと思っていたところに私好みの文章と夢主な作品だったので思わず感想送ってしまいました。続き楽しみにしてます。 (2022年7月1日 3時) (レス) id: 4b3493cea0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yuki | 作成日時:2021年12月30日 23時