26.想いを呪文にのせて-闇の遺跡- ページ31
さっきから懸命に唱えてくれるAのベホイミがベホマ並みの威力を発揮していることにククールは気がつく。
暴走気味なのか?
ただ十分に回復してくれるおかげで、攻撃もうまく回っているし、まだ魔力も残っているようだ。
分身したドルマゲスを追い詰めたように見えた。
禍々しい呪いを私たちにかけるが、エイトを中心にかき消され、
一筋縄じゃ行かないとみたドルマゲスはみるみる様子が変わっていく。
「げぇ、気持ち悪っ」
ゼシカが呟くや否や、ドルマゲスの背には羽が生え、頭や足が悪魔のように変化してゆき、さらに力のこもった攻撃が繰り出される。
Aはフバーハと回復、ククールもスクルトで援護するが、いてつく波動でかき消されてしまう。
さっきのエイトの力は何だったんだろう。
私達を呪いから守ってくれた上に、前衛で必死で戦うエイトをAは見る。
私も攻撃できたらいいのに。
もどかしい思いが、呪文にのってしまうようにコントロールがしづらい時がある。
その思いを汲むように
「ちょっとずつ追い詰めてるさ。焦りすぎずがんばろうぜ」
と、ククールはこちらを見て少し微笑んで、
Aにだけ聞こえるような声でそう言ってくれた。
その言葉だけで心が落ち着く。
ククールは私よりもいつも冷静で、肝心な時に助けてくれる。
だから私もそれに応えたい。
ドルマゲスの羽根の雨が、高速の攻撃が、
前線にいるエイトとヤンガスを中心に降り注ぎ、Aはとにかく回復をする。
痛みにひるみそうになった2人だが、
体力が全快したことに気力を取り戻す。
「回復は任せて」
エイトとヤンガスはちらりとこちらを見て頷いた後、攻撃を浴びせ続ける。
「今のって·····」ゼシカが呟き、ククールもうなづく。
「やっぱりベホマか?とにかく一気に回復出来るならかなり有利になるぜ」
仲間の傷ついた姿を見て新しい呪文を覚えるなんて、Aらしいな。
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yuki(プロフ) - 雪娘さん» はじめまして!読んで頂いて、とても嬉しい感想まで送っていただき、本当にありがとうございます!!私自身、ゲームを再履修しつつ楽しみながらまったり更新していますが、まだまだ続く予定ですのでよろしければ楽しんでいってもらえれば幸いです。 (2022年7月1日 13時) (レス) id: 83e0478cb4 (このIDを非表示/違反報告)
雪娘(プロフ) - 初めまして。最近ドラクエにハマって、ククール好きかもと思っていたところに私好みの文章と夢主な作品だったので思わず感想送ってしまいました。続き楽しみにしてます。 (2022年7月1日 3時) (レス) id: 4b3493cea0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yuki | 作成日時:2021年12月30日 23時