【ドラクエ8】空と海と大地と僧侶と聖堂騎士と

18.ククールの回想-王家の山- ページ22

王家の山、いつまでいるの…？というくらい続いておりますが
もう少々お付き合いくださいm(_ _)m

-------
硬い場所に寝ていた体の痛みでククールは目を覚ます。オレが野宿なんてな、といつも通り気怠げに歩くが、
昨日の夜のことで頭がいっぱいだ。

ただ喜ぶだろうとあげたアルゴンハートに対して、Aから嫉妬ともとれる質問を受けるのは意外だった。
Aがオレに好意を抱いていることはなんとなく気付いてはいたが、あまりそういった感情を出すことはなかった。


Aの方をちらりと見ると、昨日のことは何もなかったかのようにけろりとしているように見える。
なんなら朝もいつも通り明るく挨拶されたな。
ま、でもレディには嫉妬で泣かれることが多かったから
いつも笑顔で接してくれるAは天使に見えるぜ。
旅が続くから下手にいざこざを起こさない配慮かもしれないが。

これまで総じて女性には優しく接してきたし、その時に相手がして欲しいことや言って欲しいことは何となく分かる。
だからAにもそうしていたんだろう。
でもたった一人だけを大切に、ひたむきに思って付き合ってきたことは今まで無かったし、そうしたいとも思わない。

それにしてもずいぶんとA達と打ち解けてしまったな。
出会って間もない時にAが熱を出した時のこと、
トロデーン城で妹のために祈りを捧げたこと、
もぐらの洞窟で必死に一緒に走ったこと、
昨日の夜のこと、
旅の出来事が次々に回想される。

修道院を出て伸び伸びと過ごせるこの旅での出来事は何だか愛しく、懐かしいようにも思う。

きっと、この仲間とだけ過ごす時間が長いからなのかもしれない。
何が愛しいのか、自分の気持ちすらよくわからないし、こんなことを深く考える習慣もオレにはない。

19.この生き方しか知らない-王家の山-→←17.聞かなければよかった-王家の山-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す