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17.聞かなければよかった-王家の山- ページ21

「あ…急にこんなこと聞いてごめんね」
少し沈黙が流れる。
「他にとったアルゴンハート、誰かにあげるの?」

ただプレゼントしてくれるだけで嬉しいことなのに、
どうして私はこんなことを口走っているのだろう。
聞いたそばからAは自分の言葉に後悔する。


「ごめん、さっきのは忘れて。
私にアルゴンハートをもらえるなんて、ほんとに嬉しかった。ありがとう」

この後のククールの言葉を聞くのが怖くて急ぎ気味にそう言い、
Aはエイトやチャゴス達のところに向かった。


変なことを口走ってしまった。
Aはため息をつきながら回想する。
半ば告白したようなもんだな、しかも嫌な質問の仕方で嫉妬まじりに。
でもさっきのやりとり以前に
前から私がククールを好きなことは、きっと気付かれていただろう。
そういったことに対しては手練れのククールだとなおさら。

それを知っていての振る舞いであれば、ククールは私にはいつも優しく、言い換えれば特別な感情はないのだろう。
一人の女性と末長く付き合うのも性に合わないことを今日以外にも何度か聞いてはいたので、わかってはいたことだ。

ただアルゴンハートをもらえて嬉しかったはずなのに、自分から傷つきに行ってしまったことを後悔して、Aはぼうっと焚き火を見つめた。

「ん?疲れた?」
しょんぼりしていたAにエイトが声をかける。
「もうトカゲ臭くて、早くお風呂に入りたいよ」
冗談まじりにAは返す。

ククールは特別に好きで、でもなによりみんなが仲間として大好きだ。
旅は続くのだし、私は私のできることを頑張って、みんなとドルマゲスを倒そう。
揺れる炎を見ていたら眠くなり、そして夜が明けた。

18.ククールの回想-王家の山-→←16.ハートの意味-王家の山-



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設定タグ:ドラクエ8 , ククール , 女主
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yuki(プロフ) - 雪娘さん» はじめまして!読んで頂いて、とても嬉しい感想まで送っていただき、本当にありがとうございます!!私自身、ゲームを再履修しつつ楽しみながらまったり更新していますが、まだまだ続く予定ですのでよろしければ楽しんでいってもらえれば幸いです。 (2022年7月1日 13時) (レス) id: 83e0478cb4 (このIDを非表示/違反報告)
雪娘(プロフ) - 初めまして。最近ドラクエにハマって、ククール好きかもと思っていたところに私好みの文章と夢主な作品だったので思わず感想送ってしまいました。続き楽しみにしてます。 (2022年7月1日 3時) (レス) id: 4b3493cea0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yuki | 作成日時:2021年12月30日 23時

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