10.悲しみの再会 -トロデーン城- ページ13
Aは呆然と立ち尽くしていた。
目の前には少し怯えた表情のままの少女の一部がいばらに変えられている。
妹のユイは明るく気立てがきくこともあり、
ミーティア姫の侍女として働いていた。
Aがたまたま休暇をもらっていた日も、ユイはトロデーン城にいたため、
ドルマゲスの呪いを受けてしまったのだ。
「おまえたち姉妹はたいそう仲が良かったからなぁ。さぞかし辛いだろう。わしも見ていて心が痛むわい…。」
トロデ王が慰めてくれ、Aは泣きそうになる。
「おいおい、妹がいたのかよ」
そういえばククールには話す機会が無くて言ってなかったな、
そんなことを考え、Aはなんとか涙を堪えていた。
「A、なんとしてでもドルマゲスをとっ捕まえましょう」
「ありがとう、ゼシカ。王様、なんとしてでも元に戻してみせます」
とにかく今は先に進まないと。
呪いにかけられた人を救うために。こんな思いをする人が増える前に。
エイトも頷き図書室へ先導する。
---
図書室の本は大方無事のようだ。
全員で探すが、本の量が膨大なこともあり、なかなか関連しそうな本が見当たらない。
「ちょっと休憩にしましょう」と伸びをするゼシカ。
そういえば井戸はまだ使えそうだったな、と思い
「私水汲んでくるね!」
とA立ち上がる。
「ボクも行こうか?」
「大丈夫っ!!」
エイトが身を案じてくれたにもかかわらず、Aはつい語気が強くなってしまう。
はっとして、
ごめんね、でもすぐ戻るから大丈夫、
とAは半ば逃げるように部屋を出て行った。
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yuki(プロフ) - 雪娘さん» はじめまして!読んで頂いて、とても嬉しい感想まで送っていただき、本当にありがとうございます!!私自身、ゲームを再履修しつつ楽しみながらまったり更新していますが、まだまだ続く予定ですのでよろしければ楽しんでいってもらえれば幸いです。 (2022年7月1日 13時) (レス) id: 83e0478cb4 (このIDを非表示/違反報告)
雪娘(プロフ) - 初めまして。最近ドラクエにハマって、ククール好きかもと思っていたところに私好みの文章と夢主な作品だったので思わず感想送ってしまいました。続き楽しみにしてます。 (2022年7月1日 3時) (レス) id: 4b3493cea0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yuki | 作成日時:2021年12月30日 23時