続き ページ9
扉から出た先はありえない事に庭であった。
「え?」
後ろを見ると扉は消えており、ただ屋敷に繋がる道へと続いている。
どうやら落ちる所はランダムらしい。
すぐに庭の迷路のような草木に身を隠す。
するとすぐそこに見覚えのある箱があった。
赤いあれは道具箱だ。
まさかこういう所はあのゲームと一緒だとは。
箱を開けようと近寄ると逆方向からも手が伸びてすぐさま手を引っ込めた。
それは相手も一緒の様で相手の顔を見る。
「あっ夕陽」
「えっあっオリジナル……」
「?オリジナル?」
夕陽からオリジナルと言われて?が飛ぶ。
「私達は貴女から派生したから、皆オリジナルって呼んでいるわ」
「そう、けれど貴女に会えてよかったわ夕陽。1人は心細いもの」
「それもそうよね、かく言う私も分裂してすぐにこのゲームが始まったから怖かったの」
私達はそれから箱を開けた。
するとどうだろう、何かの鍵が入っていた。
「?鍵?」
「あっそれはね逃げてる時にもうダメだと思ったら扉に挿して入れば別の扉から出ることが出来るの」
「逃げてる最中ならその扉から普通に追いかて来られるんじゃないかしら?」
「ううん、ハンターはその鍵を使われると入れないの」
「あら便利」
「言い忘れてたけど、このゲームはオリジナルが捕まったら終わりなの」
「え?」
「私達はフェイクにすぎないの、あの人達もどの私がオリジナルか分からないから手探りの状態だし、きっと全員捕まえる気ね」
「ちょっと、そんなの書いてなんか」
「けど、嘘は書いてなかったはずよ。1時間切れれば帰れるって、それって実際そうでしょう?オリジナルである貴女が逃げ切れればいいんだもの」
「…貴女達が捕まったらどうなるの?」
「消えるわ、その服を残して」
「………」
「ふふふ、そんな顔をしないで。これでも私達はまだいい方なの、だって捕まった後はあの人達に何をされるか分からないから消えてしまえるのは幸運な事だわ」
「そうかも知れないわね。けどやっぱり貴女は私ね、そういう考え方は」
「そりゃそうよ、私達は貴女なのだもの」
ふふふと笑っているとチャットが流れてきた。
『ハンターが近くにいる!』
「!これは深窓からだわ!」
「場所的には書庫ね」
ドクンッ
こちらも心音がし始める。
「やあ、僕の可愛くて愛しい妻達?」
声が聞こえた方を見ると恐ろしい赤い目が私達を見ていた。
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minede(プロフ) - 久しぶりに読みました!!更新無理しない程度に頑張ってください!!オリジナルの結末が気になります!!(沢山のジョゼフ様から逃げられるのか) (12月28日 20時) (レス) @page12 id: ade13d59b5 (このIDを非表示/違反報告)
霧狐ームコンー(プロフ) - 得、ヤンデレ?夫婦設定?最高かよ(((続きとても気になります、! (2019年9月15日 0時) (レス) id: 1036fcd1e5 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - 深窓さんチェイス技術すげぇっすね (2019年8月7日 1時) (レス) id: 90bd7d6cd5 (このIDを非表示/違反報告)
minede(プロフ) - 本編、こちらのifの作品も大好きです!!紳士らしい、ヤンデレのジョゼフさん大好きです!!更新頑張ってください! (2019年8月5日 2時) (レス) id: 93b4b94f8e (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - 本篇もとても素晴らしいてすが、こちらの作品も大好きです!ヤンデレジョゼフからにげられるか…とても気になります。 (2019年6月30日 23時) (レス) id: b7fb729483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:pipi | 作成日時:2019年6月18日 19時