神聖天才女優

神聖天才女優1 ページ3

『……ふふっつーかまえたっ』








すっかり闇に包まれた港町のビルに







自分のCMが流れている。









なんだか私も大きくなっちゃったものね…。







他人事のように考えていたそのとき、





強いビル風が吹いたものだから帽子とサングラスが






落ちそうになり、必死に抑えた。









ここで見つかったら家までたどり着けないだろうし









何よりもマネージャーさんに迷惑をかけてしまうわ









＿＿＿＿＿＿＿＿









ここはヨコハマ。








母と高級マンションの最上階に二人暮しを





している。








＿＿＿＿＿＿＿





横浜駅でマネージャーさんの車から降りる。









現在の時刻は0時を過ぎているはずなのに






大通りはにぎわっていた。









ふと、







いつも通っている大型デパートの前で








騒いでいる男性が3人目に入った。









酒も入っているのだろう、









周囲もかなり困惑している。








でも私はそんなことを気にせるほど








体が元気ではないのですっとその喧騒の前を








通り過ぎた。









｢おいおいおいおいそこのネーチャンよぉ…








俺らの前を通るなんざ生意気じゃねえの？｣









………いや、結構人通ってました。









めんどくさいのに巻き込まれたなあ。




ここは無難に。









ぺこりと会釈し、近道となる裏路地に早歩きで入る









後ろでなんか騒ぎ声が聞こえた気がするけれど、








あいにく今日の私はかなりハードスケジュールで







疲労が溜まっているのだ。









お母さんも待ってるし、早く家に＿＿＿＿＿









｢！？！！うぐっ…………ぅっ…………｣









｢ネーチャン…無視はねぇだろぉ？！







ひっでえよ…なぁお前らァ！！ギャハハハハ！！｣









こいつら……さっきの男達！









うしろから羽交い締めにするなんて…！









男のうちの1人が私の体を舐めるように見る。









…………気持ち悪い。








｢よく見たらこいつなかなかにいい身体じゃないか









…………いいもん捕まえたぜ！｣








｢おっ！そうだな……ここで一発……｣







他の男もよってくる。









気持ち悪い！気持ち悪い！









＿＿＿＿＿＿＿＿＿






すると突如、鈍い音が頭上から聞こえた。

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