prologue ページ1
穏やかな朝。ここは宇髄天元の屋敷。
包丁の小気味良い音とともに、須磨がまきをに怒られていて雛鶴が宥めているのであろう声もする。穏やかで、けれども賑やかないつもの朝。天元は激務続きで重たい瞼をゆっくりと開けた。
「んぉ...?」
そのまま起き上がろうとして天元は自分の体の周りが妙に暖かい事に気がついた。
「おい、起きろー」
天元は自分に乗っかかる3つの塊を揺さぶった。おかしい。昨日は確かに一人で寝たはずなのに。
「ん...?とぉさまぁ?」
「父様うるさいぃ...」
「ご無体な...起こさないでちちうえぇ」
しかしこれはいつものことである。毎日ではないが、天元が長期任務から帰った次の日の朝は必ずこうなのだ。曰く、3人の嫁たちもあんまり気持ち良さそうに寝てるものだから起こせないのだとか。4人で寝てるのが微笑ましいのだとも。
「ほらさっさと起きろ。もうすぐ須磨あたりが...」
「天元様ー!!桜ちゃん!菫ちゃん!鈴ちゃん!」
「ほらな」
天元はまだ起きたくないのだと言わんばかりに渋る子供たちの頭を撫でて、右腕左腕肩にそれぞれを乗せるともう膳が用意されているのであろう今に向かった。
「あ、そうだとぉさま、おかえりなさい!」
「...おかえり」
「父上おかえり!!」
「ああ、ただいま。桜、菫、鈴蘭」
あいつの、忘れ形見。
なぁ、A。お前が遺してくれた娘達は、こんなに派手にデカくなったぞ...。
お前が逝っちまってもう8年だ。
お前に、会いてえ。
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美貴(プロフ) - 早く続きが読みたくなりました。応援してます。頑張って下さい。 (2020年2月3日 22時) (レス) id: 90d314c778 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆友(プロフ) - 夏蜜柑さん» コメントありがとうございます!出来るだけ速く書こうと思ってますので、これからも応援お願いします!! (2020年1月26日 10時) (レス) id: 3d9f00433a (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑 - このストーリー好きです\(//∇//)\)更新頑張ってください!応援してます (2020年1月26日 9時) (レス) id: 1f2db930a1 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆友(プロフ) - ルイさん» ありがとうございます!亀更新ですが頑張ります!! (2019年11月24日 13時) (レス) id: 3d9f00433a (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - すごく面白いです。更新頑張ってください。 (2019年11月24日 12時) (レス) id: e495d80177 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竜胆友 | 作成日時:2019年11月16日 15時