第弐章 好機と逸機 ページ9
ある日、鬼舞辻無惨から呼び出され、ある男の世話をしろと頼まれた。
……いや、あれはものを頼む態度ではなかった。命令だった。
姉様に帰りが遅くなるかもしれないと言伝てを忘れずした後に指定された場所へ行くと、大きな男が床の上に転がされていた。
黒と紫の着物を身に纏い、腰に刀を携帯している。
ついに奴は、鬼狩りをも味方につけたのかと思い酷く絶望した。
鬼にとって日の光の次に天敵である鬼狩りを此方側に招き入れてしまった以上、彼らが使う呼吸法や現在の戦力、根城としている場所等、あらゆる情報が奴に知られてしまう。
奴を倒す未来が、また一歩遠退いてしまった。
……まぁ、今更そんなことを考えても仕方がない。
最悪の事態は起こってしまったのだから、受け入れる他無い。
取り敢えずこの男は、布団にでも寝かせておけばいいだろう。
使われていない押し入れから薄い布団を1枚取り出し、襟を掴んで引き摺りながらもなんとか布団の上に寝かせることに成功した。
無「その鬼が起きたら、すぐ私に連絡をしろ」
「どうやって?
いえそれよりも、今何処から現れました?」
無「そこら辺りにいる無能の鬼に私の名前を叫ばせればいい」
「お話、聞いてます?
貴女の顔についている耳はお飾りなのかしら?」
少し頭にきて、寝ている男から声がする方向へ顔を向けると、もう既に奴の姿は何処にもなかった。
痕跡も残さず、風のように現れては風のように去っていく。
本当に、気味の悪い奴。
私は男がまだ目を覚ましていないことを確認した上で、手頃な鬼を連れてくるべく夜の街へと姿を消した。
鬼に名前を呼ばせろというご指令、確かに承った。
ここぞとばかりに、そこそこ力のある鬼を一気に纏めて葬り去ってやろうか。
第弐章 好機と逸機
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3/21 第壱章の誤字直しました。
この第弐章は単行本しか読まれてない方にとって最大のネタバレになっていきますので、ご注意ください。
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灰色サーモン - σ(・ω・)σさん» 返信遅れてすみません、、、!そうですね、私声真似得意なのでやってみますね! (2020年5月27日 23時) (レス) id: 99f545fffc (このIDを非表示/違反報告)
林檎の乙女(プロフ) - σ(・ω・)σさん» こちらこそありがとうございます!応援してます (2020年4月29日 22時) (レス) id: 45670cece1 (このIDを非表示/違反報告)
σ(・ω・)σ(プロフ) - 林檎の乙女さん» コメントありがとうございます(*´艸`*)林檎の乙女さんもコロナ気をつけてくださいね…。更新不定期で申し訳ないですが、頑張ります! (2020年4月29日 19時) (レス) id: 2ccf5b3872 (このIDを非表示/違反報告)
林檎の乙女(プロフ) - 作者さん、この物語を創ってくれてありがとうございます!これからも楽しみにしてます。コロナで大変ですが、お身体にお気を付けて頑張って下さい! (2020年4月29日 8時) (レス) id: 45670cece1 (このIDを非表示/違反報告)
σ(・ω・)σ(プロフ) - スモークサーモンさん» 語尾に!つけれるくらいなら元気な証拠ですね(笑)そういう時はしのぶさんボイスで「いつか冨岡さんみたく嫌われますよ〜」と言った後に伊黒さん並のネチネチ攻撃で撃退しましょう!最後に悲鳴嶼さんボイスで「かわいそうに…」というのもお忘れなく(笑) (2020年4月26日 11時) (レス) id: 2ccf5b3872 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:σ(・ω・)σ | 作成日時:2020年3月17日 18時