37日目:桜咲けば、一波乱注意報。 ページ40
「そよちゃんも一緒の学校なんだね。」
「あと、あの駄メガネも一緒ネ!…ふぅ、先が思いやられる。」
「いや、先が思いやられるのこっちなんですけど。
…つっても、お前らのセンセーじゃねェから、もう何も言えねーけど。」
神楽と総悟くんが中学を卒業。
銀八も自分の受け持ってたクラス、学年を送り出す事が出来て、一安心。
私も春休みで、呑気にお茶を飲んでるのはいいけど
「今度は、私と土方くんの番かー。」
高校3年になる手前の春休みは一番、複雑になる。
中学の時もそりゃ、複雑だったけど、
高校はなんというか分岐点な感じがする。
普通に大学や専門学校に行って勉強する人もいれば、
一足早く社会に出て働く人もいる。
「進路決まってんのか?」
「うん、まぁ…。」
私は親代わりに神威と神楽を育ててきた影響があるからか、
いつの間にか人の成長を見れる環境で働きたいと考えるようになった。
特に、神楽達の受験勉強見てたりとか、
合格発表を見て、余計にその考えが強くなった。
「大学だよなァ…。お前、行きてェの教育学部だろ。」
「げっ…勝手に進路調査票見ないでよ。」
「んなもん見なくたって、今までのお前見てたら分かるっての。」
「そーですか。」
妙たちに誘われたり、または1人で大学を色々見て回ったけど、
実のところ、1番行きたいと思ってる学校が家から遠い。
学費以外の交通費とかで親にあんまり頼りたくないと思ってるから、
一応、他にもいいと思った大学も候補に上げているけど、
やっぱり、本望には逆らえない。
その大学の過去問買って、やり始めてるし…。
「あ、電話鳴ってるアル。」
「よし、神楽。ジャーンケーン…」
「「ポンっ!」」
色々と考えてたら、
「はい。」
電話にどっちが出るかのジャンケンに負けてしまった。
そして、電話の主は
「神楽の嬢ちゃん、合格おめでとうさん。」
「ありがとうございます。」
阿伏兎さんだった。
「ところでよォ、久しぶりにお前ェらのとっつあんが休暇取れたから、
そっちに、けェるってさ。まぁ、元から残り少ない毛根だからよォ、労わってやってくれや。」
「いや、毛根は労わりと何の関係もないよね、おじさん。
んで、いつ帰ってくんだって?」
「多分、もう…」
おじさんの声を遮るように、家にインターフォンが鳴り響いた。
「あ、一旦出るね。」
そして私は電話を切って、ドアノブに手を掛けた。
これから、一波乱起きるとも知らずに。
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作者名:夢路 | 作成日時:2016年1月17日 14時