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*2* ページ30

「ん゛ーっ…。今日もいい天気だなァー…。」


翌朝、土曜日。
腕を天井に向けて思いっきり伸ばしながら、リビングに行くと


「銀ちゃん、何してるアルか!早くしないと姉ちゃん起きちゃうヨ!」

「弟クン!塩どこ?!」

「炊飯器のスイッチ押し忘れてるヨ。」


神楽と神威と銀八が隣の台所でわちゃわちゃしてた。


「…おはよう。朝ごはん、作ってくれて…」

「わ゛ぁーーー!おはようアル!
姉ちゃんは、リビングでテレビでも見て待ってるヨロシ!」

「朝ごはんは任せるから、私、洗濯物と布団干すのやるよ?」

「だーめ。A姉ちゃんは、今日お休み。
朝ごはん食べたら、どっか行ってきなよ。」


前からは神楽が後ろからは神威が抱き着いてきて、はさまれた。


「…ん、じゃあ、お言葉に甘えて…。」


2人の表情見ても、おねだりのために頑張ってる感じはしなかったし、
自分から進んで手伝うなんて普段ないから、たまには甘えることにした。

とは言っても家で自分だけがジッとしてるのも慣れないもので、


「そういえば、お隣さんは?」

「今日はどっか出かけるって言ってたアル。」

「へー。」


一緒にダラダラしてくれる相手が欲しかったんだけど、ちょうど留守。
テレビもおもしろい番組は特にやってなかったし、二度寝することにした。


「いやー、朝と昼一緒になっちまってわりィな。」

「ううん、平気。」


何分後かして銀八が私を起こしてくれて、
体を起こすと、机に並んでいたのは少し焦げ目が多い鮭と
大きめに切られたじゃがいもの味噌汁と、おかゆに近いくらい柔らかそうなご飯。


「姉ちゃん、ごめん…。」

「ん、美味しいじゃない。神楽。」

「姉ちゃん、無理しなくていいんだヨ。」

「コンビニでなんか買ってくるか?」


申し訳なさそうに、顔を下げる神楽に気を使ってくれる神威と銀八。
誕生日でもなんでもないのに、そうやって接してくれるのがなんか不思議で


「ぷっ…。そんな必要ないよ。せっかく美味しいご飯作ってくれたんだから。
ほら、食べないとご飯冷えるよ。」


つい、笑ってしまった。

大きく切りすぎたじゃがいもが中まで火が通ってなかったり、
鮭も焦げたりだったけど、十分に神楽達が頑張ったのは伝わったからそれでいい。

どういう風の吹き回しかは分からないけど、ただ嬉しかった。

*3*→←33日目:好きだからこそ



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作者名:夢路 | 作成日時:2016年1月17日 14時

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