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「ん゛ーっ…。今日もいい天気だなァー…。」
翌朝、土曜日。
腕を天井に向けて思いっきり伸ばしながら、リビングに行くと
「銀ちゃん、何してるアルか!早くしないと姉ちゃん起きちゃうヨ!」
「弟クン!塩どこ?!」
「炊飯器のスイッチ押し忘れてるヨ。」
神楽と神威と銀八が隣の台所でわちゃわちゃしてた。
「…おはよう。朝ごはん、作ってくれて…」
「わ゛ぁーーー!おはようアル!
姉ちゃんは、リビングでテレビでも見て待ってるヨロシ!」
「朝ごはんは任せるから、私、洗濯物と布団干すのやるよ?」
「だーめ。A姉ちゃんは、今日お休み。
朝ごはん食べたら、どっか行ってきなよ。」
前からは神楽が後ろからは神威が抱き着いてきて、はさまれた。
「…ん、じゃあ、お言葉に甘えて…。」
2人の表情見ても、おねだりのために頑張ってる感じはしなかったし、
自分から進んで手伝うなんて普段ないから、たまには甘えることにした。
とは言っても家で自分だけがジッとしてるのも慣れないもので、
「そういえば、お隣さんは?」
「今日はどっか出かけるって言ってたアル。」
「へー。」
一緒にダラダラしてくれる相手が欲しかったんだけど、ちょうど留守。
テレビもおもしろい番組は特にやってなかったし、二度寝することにした。
「いやー、朝と昼一緒になっちまってわりィな。」
「ううん、平気。」
何分後かして銀八が私を起こしてくれて、
体を起こすと、机に並んでいたのは少し焦げ目が多い鮭と
大きめに切られたじゃがいもの味噌汁と、おかゆに近いくらい柔らかそうなご飯。
「姉ちゃん、ごめん…。」
「ん、美味しいじゃない。神楽。」
「姉ちゃん、無理しなくていいんだヨ。」
「コンビニでなんか買ってくるか?」
申し訳なさそうに、顔を下げる神楽に気を使ってくれる神威と銀八。
誕生日でもなんでもないのに、そうやって接してくれるのがなんか不思議で
「ぷっ…。そんな必要ないよ。せっかく美味しいご飯作ってくれたんだから。
ほら、食べないとご飯冷えるよ。」
つい、笑ってしまった。
大きく切りすぎたじゃがいもが中まで火が通ってなかったり、
鮭も焦げたりだったけど、十分に神楽達が頑張ったのは伝わったからそれでいい。
どういう風の吹き回しかは分からないけど、ただ嬉しかった。
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作者名:夢路 | 作成日時:2016年1月17日 14時