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小|中|大|私は、生まれた時から不治の病を患っておりました。
おおよその時間をベッドの上で過ごし、読書が私の趣味でした。
私には、“ヒーロー”に強い憧れがありました。
弱きを助け強きを挫く、そんなヒーローへの憧れです。
ある時私が母にそう伝えると、母は優しく微笑みました。
「ええ、あなたもきっとヒーローになれるわ」。
優しい母の気休めなのだと私はからかうように笑います。
私は優しくて穏やかな母が大好きでした。
でも母は、そうではないのと頭を振ります。
「強いだけが資質ではないわ」と私を諭します。
「…人に守られてきたあなただからこそ」
「…お母様?」
「守られた経験があるからこそ、守ることの本当の意味が分かるのよ」
「…ねえ、───。あなたは、優しいヒーローにおなりなさい」
優しいヒーロー。馴染みのない響きです。
強くてかっこいいだけがヒーローではないと母は言います。
「……あなたなら、きっとなれるわ。」
「…お母様、どうなさったの?」
「もう、おやすみなさい。あなたはきっと大丈夫。」
目が覚めたとき、そこに母はもう居ませんでした。執筆状態:更新停止中
おおよその時間をベッドの上で過ごし、読書が私の趣味でした。
私には、“ヒーロー”に強い憧れがありました。
弱きを助け強きを挫く、そんなヒーローへの憧れです。
ある時私が母にそう伝えると、母は優しく微笑みました。
「ええ、あなたもきっとヒーローになれるわ」。
優しい母の気休めなのだと私はからかうように笑います。
私は優しくて穏やかな母が大好きでした。
でも母は、そうではないのと頭を振ります。
「強いだけが資質ではないわ」と私を諭します。
「…人に守られてきたあなただからこそ」
「…お母様?」
「守られた経験があるからこそ、守ることの本当の意味が分かるのよ」
「…ねえ、───。あなたは、優しいヒーローにおなりなさい」
優しいヒーロー。馴染みのない響きです。
強くてかっこいいだけがヒーローではないと母は言います。
「……あなたなら、きっとなれるわ。」
「…お母様、どうなさったの?」
「もう、おやすみなさい。あなたはきっと大丈夫。」
目が覚めたとき、そこに母はもう居ませんでした。執筆状態:更新停止中
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