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私は、生まれた時から不治の病を患っておりました。
おおよその時間をベッドの上で過ごし、読書が私の趣味でした。

私には、“ヒーロー”に強い憧れがありました。
弱きを助け強きを挫く、そんなヒーローへの憧れです。

ある時私が母にそう伝えると、母は優しく微笑みました。
「ええ、あなたもきっとヒーローになれるわ」。

優しい母の気休めなのだと私はからかうように笑います。
私は優しくて穏やかな母が大好きでした。

でも母は、そうではないのと頭を振ります。
「強いだけが資質ではないわ」と私を諭します。

「…人に守られてきたあなただからこそ」
「…お母様?」
「守られた経験があるからこそ、守ることの本当の意味が分かるのよ」

「…ねえ、───。あなたは、優しいヒーローにおなりなさい」

優しいヒーロー。馴染みのない響きです。
強くてかっこいいだけがヒーローではないと母は言います。

「……あなたなら、きっとなれるわ。」
「…お母様、どうなさったの?」


「もう、おやすみなさい。あなたはきっと大丈夫。」


目が覚めたとき、そこに母はもう居ませんでした。執筆状態:更新停止中















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作者名:ドロー | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年2月4日 20時

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