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「…な、何だ貴様ら、」
何処から入ってきた、と懐から木の棒を取り出しこちらを睨みつけている。
「……申し訳ない、散策していたらいつの間にか迷い込んでしまったようで」
前に出たのは太宰だった。
安定の外行笑顔でよくもまぁこの状況で冷静にいられる、と感心したがどうもそこまで冷静では無いらしい。
散策は無理があるだろう。
そして新たな訪問者が。
「トレイン先生、授業は終わりましたか?少しお話が…って、何です貴方たち」
実習生の導入はしてないはずですが…と顔に鴉の仮面をつけ、首領に似た声色を持つ"不審者"のなりをした男性。
実習生の導入、ということは立場は上、若しくはこの学校の最高権力者なのだろうか。
此処は猫を被っておこう。
「…あ、あぁ、すまない。要件は後にしてもらえるか」
「えぇまぁ、別に大して急ぎのものでもないので構いませんよ。…それで、君達は一体誰です?」
私たちの登場に特段慌てるでもなく冷静に対処する鴉。
あぁ、より一層うちの首領に似ている。
「……悪ィ、道に迷っちまってよ」
あくまでそれで通すのか。
「…ふむ、そうでしたか。それでは玄関までご案内しましょう」
私、優しいので、と私たちの訳の分からぬ言い訳を信じ、そのまま玄関へ案内されようとした時、
「…ま、待ってください学園長!」
一人の男子生徒が立ち上がった。
「何です?…あぁ!私の代わりに君がこの方達を案内してくれるというのですね?いやぁなんて素晴らしい行動力…」
「ち、ちが、そうじゃなくて…!」
その、多分ですが…と、話を遮り何かを察したように"学園長"と話をしている。
時折「何ですって?」や、「それは本当ですか」など衝撃を受けたように此方をちらちら見ている。
「…分かりました。検討してみましょう。…ゴホン、えー、君達。ちょっと此方へ」
「…行きましょう」
「…そうだね」
「はぁ?!手前ら警戒心っつうもん…っておい!」
「警戒も何も、侵入したのは私達でしょう?」
「つってもよォ、こりゃ敵の罠だとか考えねェのか?」
全く。中也にはもう少し頭を使ってもらわないと困る。
右も左も分からないこの状態でついて行くしかないだろう。
…とは言わないが、少しは頭を使いなよ。という太宰の一言で3人大人しくついて行くことが決定した。
そして学園長と男子生徒含め5人は、学園長室へと向かう。
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ゆちゃまる(サブ)(プロフ) - 紅さん» えええありがとうございます!そう言っていただけて、本当に活力になります…頑張ります! (6月21日 7時) (レス) id: d2edcaedd0 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (6月21日 7時) (レス) @page7 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆちゃまる(サブ) | 作成日時:2020年5月20日 18時