第八百九十八訓 ページ43
私がふるふると体を震わせていると、近藤さんがこちらに近寄ってきてふわりと優しく笑った。
近藤「悩んで悩んで、それでようやく決めた事なんだろ?なら止めやしねぇ。頭まで下げさせて断るなんざそれこそ真選組の奴等に怒られるってもんだ」
『っでも……皆残りたいっていう気持ちは一緒なのに、』
近藤「はは、野郎共だって無理やり一緒に着いて来させてAちゃんの思い悩んだ顔を見るより……少しの間別れて過去を清算しきった笑顔を見る方を望んでるだろうよ」
Aちゃんと別れちまうのは寂しいがな!と続け、がははと声を上げて笑う彼。底抜けに、優しい彼。
その姿を見て感謝が罪悪感と不安を飛び越えた。感激のあまり、涙が溢れ出そうになる。私はなんて良い上司を持ったのだろう?
『っ、私……怒られる覚悟で来たんですよ…?真選組を抜けろって言われてもおかしくないと、思って……』
近藤「誰も言わねーさ、そんな事。んな事言うふざけた野郎が居んなら俺がぶっ飛ばしてやらァ」
『真選、組の折角の決意を……よりにもよって私が、私が捻じ曲げてどうするんだって…自分でも悩んで、言えなくて……不安でっ、』
近藤「Aちゃんは江戸に忘れ物して来ちまったんだなぁ……それを取りに戻るだけだ、大丈夫さ。それに真選組が皆いなくなっちまったらお江戸も寂しくなるってもんだろ」
____だから俺達がいない間、江戸を頼んだぞ。
『っ……!』
暖かい言葉、暖かい笑顔。あぁ、貴方のおかげで今までの不安は全部吹っ飛んでしまった。
残っているのはただ、嬉しさと感謝と……後は、そんな大切な貴方達との別れに対する大きな悲しさ。つうんとした鼻の痛み。
ああ、嗚呼______もう、こんなの……っ、
.
『___っわぁぁぁぁん!!!近藤さぁぁぁ"ん!!!!』
気付けば……今までにないくらい、大声を出して近藤さんにがばっ!!と抱きついてしまっていた。
今まで我慢してた涙は勢いよく頬を伝い、噛み締めてた嗚咽は勢いよく喉から溢れ出る。私らしくもなく、子供が喚き散らすみたいにギャン泣きしてしまう。
近藤「っ!?う、うお!!?Aちゃん!!?」
『っひぐ、ううう、近藤さん大好きいいいいいっっっ』
近藤「それは俺がトシと総悟に殺されるな!!?」
「「………。」」
近藤「ヤメテ二人とも俺をそんな目で見ないで!!セクハラじゃないよねこれ!?」
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実珠(プロフ) - しきしまさん» わーー!!ありがたいお言葉……!有難う御座いますただいまですーー!お待たせして申し訳ない…🙇🏻♀️ ちまちまとではありますがこれから更新していくので楽しみに待って頂けたら幸いです!!! (12月18日 21時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - あやさん» わわわ有難う御座います〜!!!待っていてくださったなんて!!光栄……!おまたせしてごめんなさい!、これから頑張っていきます!! (12月18日 21時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
しきしま(プロフ) - おかえりなさい〜!!更新待ってました!これからも頑張ってください! (12月18日 20時) (レス) @page44 id: b9707e3599 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 更新待ってました〜!! おかえりなさい! (12月18日 20時) (レス) @page44 id: 6508c9a6a6 (このIDを非表示/違反報告)
実真(プロフ) - 華さん» 発破かけて下さって本当にありがとうございますううう……!長らくお待たせしてしまい…申し訳ない🙇🏻♀️ これからはちまちま更新していく予定です……! (12月18日 19時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2022年8月13日 0時