第八百六十訓 ページ5
あぁ、痛いな。
自分から流れる血を見て、そう感じた気がした。身を灼き付かせる程の痛みなんて早々感じたことないけど。
(でも今は、)
＿＿＿＿＿＿ドガッ、！！！
『っ、』
分かる。自分の体の奥で泣き叫ぶ恐怖心と、逃走本能と、痛みが。泣いている。ここに、いたくないと。戦いたくないと。
『っふ……う、』
虚「随分と満身創痍ですね……まあよくここまで粘ったものだ。おかげで結構な時間を取らされてしまいましたよ」
身体中に着いた切り傷と、折れた骨。剣を持つことすら出来ないほどに腫れ上がった手。
どちらが強者でどちらかが弱者かなんて、歴然だった。
(それに何より、)
『なんで……太刀筋まで、似てんだ』
どうして目の前の男が、虚が、が先生に重なるんだ。似ても似つかないのに。先生は私をそんな冷たい目で見ないのに。そんな鋭利な言葉を投げかけないのに。
稽古だって太刀筋は見せてくれたし立ち振る舞いは教えてくれたけど、ずっと私を気遣ってた。傷つけるようなマネは、しなかった。
(だから、重なるはずないんだ……っ、なのに、なのにどうしてこんなに……？こいつは、一体何なんだ)
ここまで戦えたのもあの人と太刀筋が酷似しすぎていて感覚で避けていたからだ。次どのような斬撃が来るか知らないのに知っていた。体が、覚えていたんだ。
『＿＿＿＿っ、』
そこでヒュ、と剣が顔の横を突き抜ける。何とか体をひねって避けたけれど殺気が身を焦がす。
だが恐れてもいられず、虚が避けた所をガラ空きだった懐に剣を突き出した。いつもなら手応えを感じていた。決まっていた。が。
『っ、クソが……！！』
ご丁寧に指で掴まれ止められていた。さっきまでその手は自身の剣を握っていたはずなのに。どんなマジックだっつうんだ。
顔を歪めていれば虚の指にグッ、と力が入ったのを感じて、
(！折られる……ッ！！)
反射的に剣を下へと勢いよく振り下ろしていた。まあ容易に避けられたけれど。だがめげずに剣をガガガッ！！と合わす。
あちらの剣は威力が重く、まるで自分の見えない斬撃が繰り出されているのではないかという程速い。だからこそ勝ち目などハナから無い。
(っ、でも、今の私には死ぬか戦うかしか＿＿＿＿！)
虚「＿＿＿そろそろ、終わりにしましょうか」
『っえ、』
すると虚が、剣を振るった。
ー
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実珠(プロフ) - しきしまさん» わーー！！ありがたいお言葉……！有難う御座いますただいまですーー！お待たせして申し訳ない…🙇🏻♀️ ちまちまとではありますがこれから更新していくので楽しみに待って頂けたら幸いです！！！ (12月18日 21時) (
レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - あやさん» わわわ有難う御座います〜！！！待っていてくださったなんて！！光栄……！おまたせしてごめんなさい！、これから頑張っていきます！！ (12月18日 21時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
しきしま(プロフ) - おかえりなさい〜！！更新待ってました！これからも頑張ってください！ (12月18日 20時) (レス) @page44 id: b9707e3599 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 更新待ってました〜！！ おかえりなさい！ (12月18日 20時) (レス) @page44 id: 6508c9a6a6 (このIDを非表示/違反報告)
実真(プロフ) - 華さん» 発破かけて下さって本当にありがとうございますううう……！長らくお待たせしてしまい…申し訳ない🙇🏻♀️ これからはちまちま更新していく予定です……！ (12月18日 19時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：実珠
| 作成日時：2022年8月13日 0時
