第八百九十四訓 ページ39
あの後二人してざる蕎麦を食べて、初めて会った時みたいにいつの間にか代金も払われてた。やっぱりそういう所はイケメンで腹立った。
『……なんか、色々お世話になったね。有難う桂君』
桂「だから良いと言っているものを……お前の決断の手助けになれたのなら充分だろう」
『…………桂君がイケメンに見えて悔しい』
桂「惚れたか?」
『いや全然???』
他愛も無い話をして静かになってしまった江戸の街を二人で歩く。前まで賑わっていた筈の場所も、今は人っ子一人見えない。
浅くため息をつけば、桂くんが上から「A、」と声をかけてきて。視線を上にずらせば_____、
『………へ』
ちゅ、と音を立てて額にキスされた。
頬に手をあてがわれ、愛しいものを愛でる様な優しい優しい手つきで髪を耳にかけられる。
(…………あっ……えっ…な、!?)
『か、桂君っ、!!?』
桂「あぁしまった、つい」
ぶわぁーっ、と顔が一気に熱く染まっていくのを感じた。耳まで熱い。湯気が出そうだ。だって急に、前髪掻き分けられて額にちゅって、ちゅって!!!
ていうかキスって"つい"でやるもんなの!?そんな衝動的にする物なの!?あまりにも急すぎるんですけど!!
桂「……ふ、そうあまり愛らしい反応をしてくれるな…続きを強請っている様にしか見えないが?」
『っ!?!』
桂君が屈むと、彼の綺麗な黒髪がさらりと肩から滑り落ちる。それに体を震わせればざらりと耳を指先で撫で付けられた。
それだけでぞわりと体が粟立つし、きゅうっと体に力が入って死んじゃいそうになる。
あまりにも急な出来事に顔を真っ赤にして目を回していれば、また続け様にちゅ、ちゅ、と頬や鼻先、瞼に啄む様なキスを次々と落としてきた。
『ま、あのっ、ちょ!まって桂くっ、』
桂「……これは見事な茹で蛸だ」
『誰のせいだと思ってんの!!?』
桂「あぁ、これは見事に俺のせいだな…俺のせいだ。俺のな」
『っ、』
"俺の"を強調すんな!!!!!
くそっ、天然で馬鹿でふざけてる癖にこういう時だけ変な余裕見せつけてくるのほんと何なの!!?狡くないかい!?
『………桂君なんてハゲちゃえ』
桂「ヅラじゃない桂だ!!」
『誰も言ってねえよ』
ー
2147人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
実珠(プロフ) - しきしまさん» わーー!!ありがたいお言葉……!有難う御座いますただいまですーー!お待たせして申し訳ない…🙇🏻♀️ ちまちまとではありますがこれから更新していくので楽しみに待って頂けたら幸いです!!! (12月18日 21時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - あやさん» わわわ有難う御座います〜!!!待っていてくださったなんて!!光栄……!おまたせしてごめんなさい!、これから頑張っていきます!! (12月18日 21時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
しきしま(プロフ) - おかえりなさい〜!!更新待ってました!これからも頑張ってください! (12月18日 20時) (レス) @page44 id: b9707e3599 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 更新待ってました〜!! おかえりなさい! (12月18日 20時) (レス) @page44 id: 6508c9a6a6 (このIDを非表示/違反報告)
実真(プロフ) - 華さん» 発破かけて下さって本当にありがとうございますううう……!長らくお待たせしてしまい…申し訳ない🙇🏻♀️ これからはちまちま更新していく予定です……! (12月18日 19時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:実珠 | 作成日時:2022年8月13日 0時