第八百八十九訓 ページ34
冷たい雨の中暖かい傘の中で、桂君に案内されたのは_____
『……ここ、って…』
桂「覚えているか、初めて出会った時の事」
『………まあ、うん』
初めて桂君と一緒に蕎麦を食べて、浪士に勧誘されたり女将さんに恋人同士と勘違いされたり色々あった所だ。桂君と遊ぶ時は毎回ここに顔を出してたっけ。
桂君の影響で蕎麦好きになっちゃったー、って零したらめちゃくちゃ嬉しそうな顔してたなぁ。
『………っくちゅ、!』
桂「!全く…そんな薄着で居るからだ、風邪を引くぞ」
『ぁ……う、うん、』
寒くて思わずくしゃみをすると、自分の着ていた羽織りを私に着せてくれる桂君。
彼はとっても優しそうな笑顔を浮かべていて……何だかとってもムズムズする。
なんで今日はこんなに優しくしてくれるの?勿論いつも気は利かせてくれるけど…今日はその非じゃない。私が、明日ここを発つから?
桂「いつもならば今日は定休日なのだがな、俺は常連で女将に顔がきくからと特別に入らせてもらえる事になった。入るぞ」
『そ、そうなの…?でもなんでそんな顔をきかせてまで、』
桂「……俺が好いた女を逢引に誘っては、不自然か?」
『っえ、』
あまりにもどストレートな言葉にぼっ、と頬が熱くなった。いやあの……えっ?ちょ、なんか今日桂君甘くない?!
内心わぁわぁと慌てていれば、そんな様子を見られて更に優しく微笑まれる始末。そしてあっという間に手を引かれて貸切状態の蕎麦屋の中へと誘われた。
中にはお馴染みの女将さんがいて、「小太郎ちゃん!Aちゃん!待ってたわよ〜!」と笑顔で迎えてくれる。その懐かしさに、少しだけ安心した。
そして桂君はと言うと、人数分ざる蕎麦を頼んだかと思いきや……私の手を握って。
桂「A、二階へ行くぞ」
『………へっ??』
……蕎麦屋の二階。それがどんな事を意味するかは流石に私でもわかる。
『……は!?えっな、ばっ馬鹿なの!!?』
桂「馬鹿じゃない桂だ!安心しろ、お前が誘ったりでもしない限りは何もせん。ただ密室で話したいだけだ」
『言い回しが犯罪者なんだけど…』
桂「犯罪者じゃない桂だ」
あ、この人そういえば指名手配犯だった。
因みに女将さんにはグーサインされた。全然違うからね。てか嘘でしょ女将さんまだ私と桂君が恋人だと思ってんの???
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実珠(プロフ) - しきしまさん» わーー!!ありがたいお言葉……!有難う御座いますただいまですーー!お待たせして申し訳ない…🙇🏻♀️ ちまちまとではありますがこれから更新していくので楽しみに待って頂けたら幸いです!!! (12月18日 21時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - あやさん» わわわ有難う御座います〜!!!待っていてくださったなんて!!光栄……!おまたせしてごめんなさい!、これから頑張っていきます!! (12月18日 21時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
しきしま(プロフ) - おかえりなさい〜!!更新待ってました!これからも頑張ってください! (12月18日 20時) (レス) @page44 id: b9707e3599 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 更新待ってました〜!! おかえりなさい! (12月18日 20時) (レス) @page44 id: 6508c9a6a6 (このIDを非表示/違反報告)
実真(プロフ) - 華さん» 発破かけて下さって本当にありがとうございますううう……!長らくお待たせしてしまい…申し訳ない🙇🏻♀️ これからはちまちま更新していく予定です……! (12月18日 19時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2022年8月13日 0時