【銀魂】空から女の子が降ってきました。22

第八百八十八訓 ページ33

江戸を発つ覚悟？真選組を辞める覚悟？皆と離れる覚悟？


どうしてそんな物をしなければならないんだ。いや分かってる、真選組の為なんだもん。分かってるよ、頭では。


でも嫌だって叫んでるんだ、魂が。私はまだ真選組で居たいよって叫んでる。だって私の居場所は…真選組しか無いんだもの。





(……初めて、初めて貰った居場所なんだ。真選組は…私の大好きな場所。最初で最後にしたいのに)





『あーー〜……嫌だなぁ…』





顔を覆って自分の足の間に埋めた。真選組の誰かに私がこんなウジウジしていると思われたくなくて、少しでも体を小さく隠す様に…強く強く埋めた。


ざぁざぁと耳元で鳴ってるみたいに聞こえる煩い雨音が耳障りだ。上にある屋根から雫が滴って目の前に落ちる。足を動かせばじゃりっと土の音がした。









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＿＿＿＿＿「体、冷やすぞ」








『…………え、』






一人の世界に閉じこもっていたところに声をかけられてびくりと体が震える。恐る恐る見上げれば……





『……桂、君』





こちらに傘をかざし、切なげに笑う桂君の姿があった。





桂「お前の様に可愛らしい女子(おなご)が傘もささず、この様な所で一人…風邪を引くだけでは飽き足らず暴漢に攫われてしまうな」



『………はは、じゃあそれでいくと…君が私を攫ってくれるのかな』



桂「暴漢でなくて悪いが…まあしっかり攫うつもりだけはある。少し付き合え」





自分に向けて差し出されたその手を取れば、ぐいっと引き寄せられて広い胸板に包み込まれる。









傘の中は……妙に暖かかった。










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