第八百五十九訓 ページ4
うつ、ろ。
…………虚。聞いたことがない名前だ。奈落の先代首領、って言ったか?そんな奴がどうして私の両親を?
(いや、そんな事考えてる時間なんて無いか)
『…………お前は危険だ。真選組においての危険要素は排除するのが私の役目。毒花は刈り取らせて頂く』
「……成程。毒花には毒に塗れた刀をと言う事か…まあいいでしょう。貴方が殺しに来ようと、私が殺しに行こうと結果は同じです」
『っ、』
剣を構えて、目の前の不気味な存在に対峙する。先程まで恐怖のせいで震えることすら放棄していた足が対峙した事により急に震え始める。
ガクガクと膝が曲がって跪きそうになってぐっ、と力を入れて耐えた。負けるものか。目の前のこの毒花は私が刈り取らなければ。
『……っ、』
そうして、辺りに空気の重い沈黙が訪れた時。
(っ!!来る!!!)
微量の、本当に微量の殺気を"後ろから"感じた。有り得ないだろう、だって先程までコイツは私の前で剣を持っていただけの筈なのに。どこまでも不気味だ。
だが、反応できたのは自分でも不思議だった。それは長年培われてきていた危機察知能力のおかげか。それとも、
____幼き頃のあの人との、稽古の記憶のせいか。
.
________ガキィィン、!!!!
『っ、!』
後ろ向きに剣を振りかぶって何とか剣戟を止める。だが勿論のこと攻撃はこれで終わりでは無く。
脇を狙っての斬撃を姿勢を低くして避ければ次は蹴りが飛んでくる。紙一重で交わして剣を振るがそれも予測されており避けられて目の前に突き出される剣先。
頬にピッ、と掠った剣先に冷や汗をかきつつも懐に飛び込んで斬撃を入れようとするが、恐ろしい速さで避けられた。
(……なんだ、これ。既視感か?)
斬撃に一回でも当たれば体の一部が砕けるという警報と肌で感じる剣先の鋭さ。確実な隙を探し出し突いてくる斬撃の凶暴性と肌に張り付く様なこの嫌な感じ。
全て全て、全て、私がいつか体験したことのあるもの。
『___っ、ぐぅ!!!』
「私との戦い中に考え事ですか?随分と呑気な…そんな事では直ぐに死にますよ」
ドガァッ、!!と強い蹴りを腹に食らう。何とか手で衝撃は緩和したが…今のでおそらく骨にヒビか何か入ったんだろう、超痛い。
ダメだ、こいつとの戦いにおいて頭を回す時間が無い。
ー
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実珠(プロフ) - しきしまさん» わーー!!ありがたいお言葉……!有難う御座いますただいまですーー!お待たせして申し訳ない…🙇🏻♀️ ちまちまとではありますがこれから更新していくので楽しみに待って頂けたら幸いです!!! (12月18日 21時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - あやさん» わわわ有難う御座います〜!!!待っていてくださったなんて!!光栄……!おまたせしてごめんなさい!、これから頑張っていきます!! (12月18日 21時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
しきしま(プロフ) - おかえりなさい〜!!更新待ってました!これからも頑張ってください! (12月18日 20時) (レス) @page44 id: b9707e3599 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 更新待ってました〜!! おかえりなさい! (12月18日 20時) (レス) @page44 id: 6508c9a6a6 (このIDを非表示/違反報告)
実真(プロフ) - 華さん» 発破かけて下さって本当にありがとうございますううう……!長らくお待たせしてしまい…申し訳ない🙇🏻♀️ これからはちまちま更新していく予定です……! (12月18日 19時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2022年8月13日 0時