第八百八十三訓 ページ28
どんどん、黒縄島が…追ってくる烏共が遠ざかっていく。
『……っは…はぁ……』
糸が切れた様にがくり、とへたり込めば搭乗橋を登った隊員達が横を通り過ぎて船の奥へと入っていく。皆…皆無事なんだ。
(……つか、れたぁ……皆無事…)
そしてその目線の先には、佐々木くん達三人を引っ張りあげようと手を伸ばすトシ。相性が悪い二人でもこんな状況になったら助け合うらしい。
茶化すがてら私も手を貸してあげようとトシの方へと足を踏み出した瞬間_____、
『………え、』
___ぴくり、と三人の後ろに転がっていた奈落の死体が……動いた。
三人は、三人は気付いてない。ゆらりと立ち上がり剣を振りかぶるその烏に、気付いてない。
『_____っ佐々木くん、!!!』
思わずその場を踏み切って三人の方へと駆け出した。傾いている搭乗橋だ、無闇矢鱈に突っ込んだら落ちるかもしれないし危険だと思う。
けれど今はそんなことに構っているほど暇ではない。後ろに、後ろにいる。目の前で…殺される。
佐々木「Aさん」
_________、え。
「_____異三郎ォォォォ、!!!!」
私に向かって信女ちゃんと鉄君をドンッ、と押し飛ばした後彼は…後ろの奈落を斬り裂いた。そして…悲しい様な、寂しい様な、嬉しい様な笑顔を残して。
_____ドォォォォンッ、!!!!
追っ手の奈落の艦隊が放った爆発に紛れて………消えた。
『佐々木、く……』
「_____あ"ぁぁぁぁぁ"っ、!!!!」
一瞬、何が起こったのか…分からなかった。ただ分かったのは…佐々木くんが先程まで立っていた場所は、爆発で綺麗に無くなっているという事だけ。
朧気な視界で泣いている女の子が見える。爆発で消えた部分へと身を乗り出そうとして…神楽ちゃんと鉄君に止められている。
泣かないで……泣かないで。でもどうして…??なんで佐々木くんは、なんで、
"私の弟と、子供を。頼みましたよ"
___メールすら返さなかった、私なんかに。
『佐々木………くん』
ー
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実珠(プロフ) - しきしまさん» わーー!!ありがたいお言葉……!有難う御座いますただいまですーー!お待たせして申し訳ない…🙇🏻♀️ ちまちまとではありますがこれから更新していくので楽しみに待って頂けたら幸いです!!! (12月18日 21時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - あやさん» わわわ有難う御座います〜!!!待っていてくださったなんて!!光栄……!おまたせしてごめんなさい!、これから頑張っていきます!! (12月18日 21時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
しきしま(プロフ) - おかえりなさい〜!!更新待ってました!これからも頑張ってください! (12月18日 20時) (レス) @page44 id: b9707e3599 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 更新待ってました〜!! おかえりなさい! (12月18日 20時) (レス) @page44 id: 6508c9a6a6 (このIDを非表示/違反報告)
実真(プロフ) - 華さん» 発破かけて下さって本当にありがとうございますううう……!長らくお待たせしてしまい…申し訳ない🙇🏻♀️ これからはちまちま更新していく予定です……! (12月18日 19時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2022年8月13日 0時