第八百五十八訓 ページ3
『せん、せ、』
______松陽先生。
そう、言葉を紡ごうとしてハッとして止まる。違う、違う違う違う違う。そんなはずない。だって先生は朧に、攘夷戦争の時に。
「これでも君には少し同情している。周りの環境で全て捻じ曲げられ自傷の思考へと至った哀れな華…その花弁を散らす事をあの屑に強要されたのでしょう」
『屑……司欧のことを、言ってるのか……?ならお前はどうして司欧を知って、あの男とどういう関係で、』
「…………教える義理はありませんね」
『っ、じゃあなんでお前は…そんなにあの人と、』
________似てるんだ。
他人の空似かもしれないのに、何故か自然と言葉に出していた。あの人、なんて不明瞭な言葉で。なのに言葉に出していた。
……すると、彼は静かに私の顔から手を離して。
.
_________ッヒュ、
『___っ!?!?!』
______ガキィィィン、!!!!
静かに、ただ静かに剣を振り下ろしてきた。ほとんど感覚だけで剣を頭上へ振るったが…どうやら正解だったらしい。
『っ急に、何、を……っ!!』
「することも済んだ、そして私は奈落。だから殺す。それだけですよ。だが流石私から全てを教わったというべきか…今の一撃を止めるとは」
なんなんだ、なんなんだコイツは。どうしてあの人と重なるんだ、どうして私の両親の事を知ってるんだ、どうしてあの人と同じ言葉を放つんだ。
『っ、ぐぅぅ……!』
ギリギリギリギリッ、と凄まじい力で抑え込まれる。何とかふんばって耐えているが…全身から力が抜け落ちそうだ。
一撃を止めるだけで腕の骨が折れる様な。気力も体力も奪われる様な。お前には勝てないと言われている様な気がする。
(っ、知りたい事は後回しだっ!!コイツが凄まじく強いのも敵わないことも理解した……だがここで死ぬ訳にはいかない!!)
ガキンッ!!!と剣を滑らせる様にして力を受け流して距離を取る。剣を構えて静かに彼を睨んだ。
『…………これだけは聞かせてもらう。お前は…何者なんだ』
すると彼は、面頬の下で感情が抜け落ちたかのような無表情面を披露して。
「天照院奈落、先代首領にして本物の
淡々と、言葉を口にした。
「 名は、虚 」
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実珠(プロフ) - しきしまさん» わーー!!ありがたいお言葉……!有難う御座いますただいまですーー!お待たせして申し訳ない…🙇🏻♀️ ちまちまとではありますがこれから更新していくので楽しみに待って頂けたら幸いです!!! (12月18日 21時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - あやさん» わわわ有難う御座います〜!!!待っていてくださったなんて!!光栄……!おまたせしてごめんなさい!、これから頑張っていきます!! (12月18日 21時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
しきしま(プロフ) - おかえりなさい〜!!更新待ってました!これからも頑張ってください! (12月18日 20時) (レス) @page44 id: b9707e3599 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 更新待ってました〜!! おかえりなさい! (12月18日 20時) (レス) @page44 id: 6508c9a6a6 (このIDを非表示/違反報告)
実真(プロフ) - 華さん» 発破かけて下さって本当にありがとうございますううう……!長らくお待たせしてしまい…申し訳ない🙇🏻♀️ これからはちまちま更新していく予定です……! (12月18日 19時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2022年8月13日 0時