第八百七十四訓 ページ19
最終的に虚には、何も返さなかった。緊迫感に包まれたその場を諌めるように銀時君が私の腕を引いて走り出したからである。
どうして虚があそこまで私を殺すことに拘るのか知りたい所ではあるけれど……それはやはり一度引いてからだろう。
銀時「っ、おいA…なんでアイツがあんな執拗にお前のこと狙ってるか分かるか?」
『いや、私も分かんなくて…そもそも私と虚は今初めて会ったんだ……私が聞きたいくらいだよ』
崖を離れ、森へと入り木々の間を縫う様に走って進んでいく。問題なく一人で走れるのは分かっているはずなのに、銀時君は私の腕を掴んだままだった。
ぐっ、と痛くない程度に力を込められて、心配をかけていると少し罪悪感に駆られる。
銀時「んだよ、殺すって……なんでお前が…!っクソ、アイツは一体誰なんだ、何なんだよ……!!」
『……銀時君、』
___虚の正体。あまりにも先生と似ているあの男。先生は死んだ筈だったし、どれだけ似ていたとしても他人の空似。私があの人を間違える筈がない。
なのに何故かあの男の声と微笑みに心が震えたんだ。先生、やっと会えた…って。どうして。
『っ、あんな男と先生を重ねたくなんか無いよ…でも、』
信女「…あれは、あの人であってあの人では無いもの」
『……え?』
どういう事、と信女ちゃんに視線をやれば彼女も私と銀時君に視線を寄越した。そうだ、彼女は虚の事を知って……
信女「けど一つ、少なくともこれだけは言える。松陽を殺したのは_____
走り抜けていく暗く静かな森の喧騒の中、ただその場には彼女のその平坦な声が響いていた。
______「あの男よ」
……そうだった。私達は、先生の事何も知らないんだ。
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実珠(プロフ) - しきしまさん» わーー!!ありがたいお言葉……!有難う御座いますただいまですーー!お待たせして申し訳ない…🙇🏻♀️ ちまちまとではありますがこれから更新していくので楽しみに待って頂けたら幸いです!!! (12月18日 21時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
実珠(プロフ) - あやさん» わわわ有難う御座います〜!!!待っていてくださったなんて!!光栄……!おまたせしてごめんなさい!、これから頑張っていきます!! (12月18日 21時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
しきしま(プロフ) - おかえりなさい〜!!更新待ってました!これからも頑張ってください! (12月18日 20時) (レス) @page44 id: b9707e3599 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 更新待ってました〜!! おかえりなさい! (12月18日 20時) (レス) @page44 id: 6508c9a6a6 (このIDを非表示/違反報告)
実真(プロフ) - 華さん» 発破かけて下さって本当にありがとうございますううう……!長らくお待たせしてしまい…申し訳ない🙇🏻♀️ これからはちまちま更新していく予定です……! (12月18日 19時) (レス) id: 5eb1e7fab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:実珠 | 作成日時:2022年8月13日 0時