38話 ページ38
あぁもう、間に合わない…
私は誰もいない教室に1人で窓の外を見る。
みんな、屋上やグラウンドで花火を見ている。
カップルは手を繋いたり、部活で円陣を組んでいる
人達もいる。
ここの花火は願いが叶うとも言われている。
みんな、大切な人と見れて羨ましい。
「フ…ウッ…なん…で…」
涙が止まらない。
会いたい、会いたい。
一緒に思い出を作りたかった。
もっと近くに行きたい
君の近くに…
「大翔…くん…」
――ガラガラ…
大翔「…居た」
「大翔…くん…!!」
――バーーーン!!!
大きな大きな花火が上がった。
教室が花火の光で照らされる。
君の顔が見える。
大翔「ごめん…場所決めておけば良かったね」
「ううん…」
今一緒に居られるだけで、全部素敵だよ。
いつの間にかこんなにも君しか見えなくて
無条件に君が好きなんだって気づいた
アナウンス「次はお待ちかねのハートの花火です!」
「あっ」
アナウンス「カップルや、好きな子と手を繋いで
この花火を楽しんでくださーい!」
い、言わなきゃ…
どうしよ…
大翔「杏美香!」
「は、はい!」
大翔くんは私にゆっくり近づいた。
大翔「俺、約束なしでも会いたいんだ。」
大翔「好きです。」
私は大翔くんを見つめる
「私も、好きです。」
――バーーーン!!!
大翔「花火…綺麗だな」
「うん…!」
誰もいない教室、花火の光だけが私達を照らす。
大翔「今から、俺の彼女ね」
「他なんて考えられないよ」
私達は思いを確かめ合い
キスをした。
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RE:0096 - いい話...感動ですわー。(最終回のタクシーの運転手、リア充のイチャイチャなやり取り見せられてたんか....w) (2020年7月18日 23時) (レス) id: 6a54b9078c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:セピ | 作成日時:2020年4月28日 23時