罪を侵して人を愛せず【鋼錬】 (ページ5)

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ミジンコどチビページ5

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『…軍人？』

登りきった入口付近に、軍服を着た男女2人が何やら目に付いた。

まぁ、国立中央図書館だから、軍人が居てもおかしくはないのだけど…。

居るべきとしたら、研究資料や記録やら名簿やらが貯蔵されている、第1分館の方だと思うのに。

軍人がいるだけで、最近は何かと物騒だ。

国家錬金術師を狙った殺人鬼も出ていると言うから、あまり心穏やかではないが、特に何かあったわけでもなく、誰かを警護しているようだ。

｢はー、今日も解読解読…そろそろしんどいぜ…｣

そう吐き捨てるように呟いたのは、赤いマントがよく目立つ小さな少年…と、何故か目が合ってしまった。ていうか睨まれた？

それに気がついたのか、少年とは正反対に大きくでかい鎧の人が声を発した。

｢ダメだよ兄さん、知らない人を睨んだりしたらー。｣

(おぅ、こっちが弟くんなのか…！)
(てか、強そうだし警護いらなくないか…！？)
(いやそもそもなんで鎧ぃ！？)

色々な事が頭でごちゃ混ぜになり立ち止まってしまうと、小さな少年が声を荒らげて応戦をはじめた。

｢うっせーな！なんかめちゃくちゃ失礼な事を想像された気がしたんだよ！悪ィか！！｣

めっちゃ口悪いな、この少年…。

『す、すみません、私は何も無いのでなんかごめんなさい…失礼しました…。』

こういう人とは関わり合いになってはいけないと思ったので、悪い事はしてなくても一応謝っておくのが得策だと思い、その場を去ろうとした。

｢そんなに小さな事でいちいち怒ったら大きくなれないよー｣

｢誰がミジンコどチビか！！！！！｣

(いやいやそこまで言ってないでしょが…)

小さいと思われるのも、言われるのも気に触るのか、そうかそれで睨まれてしまったのか。と妙に納得をしながら、そそくさとその場を離れた。

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