罪を侵して人を愛せず【鋼錬】 (ページ28)

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嵐の後でページ28

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ブラッドレイ｢そして君は…？｣

『ひゃい！！？』

ただエドの隣で聞いているだけの私に、突然声をかけてきたので、返事が裏返ってしまった。

エド｢こいつは、A・イシュウォールト、です。｣

ブラッドレイ｢ふむ。君も、今回の事について知っている側の人間だね？｣

『は、はいっ』

険しい顔のままの大総統閣下に、こちらも強ばってしまう。

少し考える素振りを見せた後に

ブラッドレイ｢国家錬金術師になってみてはいかがかね？｣

『えっ…！？』

思いもよらぬ勧誘に、言葉を失ってしまった。

私が、国家錬金術師！？

『私は、そんな技量もないただの…本が好きな女なので…』

ブラッドレイ｢今回の件を知っている以上、君に何か事が起こらないとは限らない。

自分の身を守る為と言ってはなんだが、軍の肩書きがある方が何かと便利だと思うのだがね。

それに君は、あの『秘匿の錬金術師』の娘だろう。

並大抵以上の知識は我が国には貴重な人材となり得るからな。｣

どうかね？と問いかけられても、直ぐに答えが出ず、返答できない。

私は今まで戦った事などないし、確かに軍の肩書きがあれば身を守る事ができるかもしれないが…

ブラッドレイ｢今すぐにとは言わん。その時になったらいつでも軍の者に言いたまえ。｣

『あ、はい…』

エド｢…｣

しどろもどろとはっきりしない返事をすると、遠くから、｢大総統閣下はいずこー！｣と叫ぶ声が聞こえてきた。

ブラッドレイ｢むっ、いかん。うるさい部下が追ってきた。｣

そういうと、大総統閣下は窓に足をかけ外へ出る。

ブラッドレイ｢仕事を抜け出してきたのでな。私は帰る！

また会うこともあろう。では、さらば！｣

また手を後ろに組み、歩いて去っていったのだった。

？｢どしたの、みんな。外の2人も固まってるし。｣

エド｢嵐が通り過ぎた…｣

たしかに、嵐だったと認めざるを得ない状態のあと、1人の金髪の女の子がやってきたのだった。

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