罪を侵して人を愛せず【鋼錬】 (ページ19)

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罪の証ページ19

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バカンッ…ゴンッ…

ダクトの蓋を足で蹴破るエド。

彼はそのまま下へ降りていった。

エド｢なーにが現在使われておりませんだ。

ビンゴだぜ｣

私たちは、外から中へと繋がるダクトから、元第5研究所へ忍び込むことに成功した。

エド｢お前、そこに居るか？｣

『やだ、こんな汚いところ！おろしてよー！』

エド｢はいはい。ほら、来いよ。｣

両手を広げて待ち受けるエド。

なんだか恥ずかしいけれど、着地に失敗する方が恥ずかしい。

エド｢ほれ｣

『……っ』

意を決して、ゆっくりとダクトから身体を出す。

私を支えるようにして受け止めてくれるエドに、優しさを感じて顔が熱くなるのがわかる。

エド｢…よっと、大丈夫か？｣

『あ、ありがと…』

足元がかろうじて見えるだけの薄暗さに、ほっとしてしまう。

だって今の私、耳が赤いだろうから。

エド｢そんじゃ、探索といきますかね｣

『うん。』

私たちは廊下に続いて歩きだし、中を調べる事にした。

***

暫く歩き続けると、広い部屋にたどり着いた。

だだっ広い部屋に、大きな錬成陣が描かれているだけの不気味な部屋。

エド｢なんだこりゃ……｣

『なんか、嫌な感じが…』

エド｢あぁ…。

ひょっとして、これ賢者の石を錬成するための…｣

？｢その通り｣

『ひぇっ』

突如暗闇から声が響き渡り、思わずすっとんきょうな声が出てしまった。

すぐに声の方へ視線をうつすと、大きな鎧がこちらへ歩いてきていた。

？｢どこの小僧か知らんが、石について深く知っているようだな。｣

エド｢お前は…｣

？｢私は、ここの守護を任されている者。

ナンバー48(ﾖﾝﾊﾁ)と、とりあえず名乗っておこうか。

ここに入った部外者は、全て排除するよう言われている。悪く思うな。｣

そう言うと、持っている刀を握りなおすナンバー48という鎧。

エドは私を庇うように前に立つと、両手を合わせ、右手の義手を変形させる。

どうやら応戦するようだ。

エド｢…そっちこそ、小僧に倒されても悪く思わないでくれよな。｣

『……！錬成陣なしで…？』

なんと彼は、錬成陣なしで錬成をこなしたのだ。

それを意味する事は、ただひとつであり

私はそれをよく知っている。

…まさか、エドも人体錬成を…？

彼には一体何があったのかと考えている目の前で、鎧との戦闘が開始されるのだった。

***