罪を侵して人を愛せず【鋼錬】 (ページ14)

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心配なだけページ14

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翌日、私はじっとしている事が出来ずに、街を歩いていた。

そこはエドたちの宿の近く。

暗号の解読が終わった今、どんな理由で会いに行けばいいのかわからず、ひたすらさまよっている。

心配な気持ちだけで会いに行ける間柄なのか、私にはわからないから。

そのままの気持ちで、会いに来たと言えればどんなに楽だろう。

私の今のこの気持ちもよくわからない。

心配だから、会いたいのか

ただたんに、会いたいのか

『心配だから、会いたい、のよ』

そう言い聞かせることしか出来ない。

最初は、暗号の解読の助っ人だった私が、心配だから、会いにいっていいのか。

ずっと、頭の中をぐるぐる回るばかり。

もうそろそろ帰ろうかと思ったころ。

アレックス｢おや？Aではないか。

エルリック兄弟に何か用でも？｣

『あ、アレックス様…！』

何度目かわからない、宿の前を通り過ぎようとしたその時に、アームストロング少佐に声をかけられた。

アレックス｢行かないのかね？｣

『いや、その、あれ以来会えていないので…心配で…でも…会いに行ってもいいのかと…悩んでおりまして…あはは…』

アレックス｢私は今から様子を見に行くところだったのだ。

一緒に来るといい。｣

『えっ、あっ、はい！ぜひ！』

願ってもない申し出に、私は二つ返事で返す。

アレックス様にたまたま出会い、誘われたから一緒に来た。という理由ができた。

もう一度会えるというだけで、酷く喜んでいる自分に気がつく。

『…私…』

もしかして、エドが好きなの？

いやまさかそんなハズは

ただ私は、心配なだけで

まだ恋なんて、してないよ

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