石の材料 ページ13
***
今日で、解読をはじめて2日目。
ついに私たちは糸口を見つけて、解読へと向かっていた。
しかし、そこに並ぶのは不吉なものばかり。
『材料は、人間…っ』
エド「……ふっ…、ざけんな!!」
それまで堪えていたエドが、机を殴りつける。
大きな音と共に、落ちる書類。
賢者の石の材料は、『生きた人間』だった。
デニー「兄弟喧嘩ですか!?まずは落ち着いて…」
アル「ちがいますよ」
マリア「では、暗号が解けなくてイラついてでも…?」
『…解けたんです。
暗号を…解いてしまったんです』
本当は、解いてはいけないものだった。
私はなにか、とんでもない事に足を突っ込んでしまったのかもしれない。
エド「悪魔の研究とは、よく言ったもんだ…。
恨むぜ、マルコーさんよ…!」
うろたえるロス少尉とブロッシュ軍曹。
エドはなんとも言えない表情をしている。
なぜこの2人が、賢者の石を求めているのかはわからないけど、求めていたものがこんなおぞましいものだったと知り、嘆いているのだと思う。
エド「…この資料が正しければ、賢者の石の材料は生きた人間…。
しかも石を1個精製するのに、複数の犠牲が必要って事だ…!」
ダニー「そんな非人道的な事が軍の機関で行われているなんて…!」
マリア「許される事じゃないでしょう!」
ティム・マルコーという人は、軍の関係者だったのか。
その人が1人で賢者の石を研究したとは到底思えない。
だとしたら、本当に軍が関係しているの…?
エド「ロス少尉、ブロッシュ軍曹…
この事は誰にも言わないでくれ。
もちろん、Aもだ。」
『…っ』
デニー「し、しかし…」
明らかに落ち込んだ彼が続ける。
エド「頼むから、聞かなかったことにしてくれよ…」
その日は図書館の閉館の時間という事もあり、そのまま皆と離れた。
胸につっかえたような気持ちを抱えて。
***
115人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柏餅(プロフ) - 神すぎますゥゥゥ! (3月21日 15時) (レス) @page33 id: 55951e8f98 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:YayoiSakura | 作成日時:2022年1月14日 10時