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捕食者7 ページ9

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私が初めて彼女に会ったのは、彼女がまだ白川Aとして生きていた頃だった。

あの日、組織の情報を掴んだ男の暗殺の任務でその男の主催のパーティーに出ていた。


ターゲットは中年を越えたにも関わらず小児性愛の性的嗜好のある男であった。

気に入ったものは自分のコレクションとし、飽きたら直ぐに売りに出す。女の私から言わせれば最低の男だ。

だが、この裏世界に染まっている私が最低と言おうがその言葉には説得力はない。
自分もそれ相応の酷いことだってしている。
そんな日常に疲れていた。
自分には不釣り合いな仕事だったが、このパーティーに参加できるのは女優クリス・ヴィンヤードの人脈が必要。

仕方なく引き受けた仕事だった。




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ざっとホールを見渡して、ターゲットはすぐに見つかった。
ターゲットというよりも、その隣にいる少女に目がいったからだ。
周りの人もその血のように真っ赤な色に目が奪われていた。


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真っ赤なドレスで包んだ美しい少女。
琥珀色の肌に真っ黒な髪、そして漆黒の瞳。
ふわりと笑う横顔はドレスのせいか、少女の筈なのにどこか大人じみて見える。

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その美しい少女にターゲットは完全に目がロックオンしており、数分話した後、少女を連れてホールから出ていった。腰に手を添えて…あぁ気持ち悪い。
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二人の後を追うと、二人はそのままターゲットの個人部屋へと入っていくのが見えた。

部屋の中では何をされるのか何も知らずにニコニコ笑顔を浮かべて笑う少女を見て、あぁ、あんな美しい少女がこれから穢れていくのかと考えると薄幸な人生な子だなと感じた。


子供は、吸収力が高い。
周りのことを簡単に受け入れ容易に変わることができる。

それに対して、私はもう手遅れだ。
だからと言って気にすることではない。
この世界に既に染まってる私は変わる必要はないし変わることは出来ない。
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そんな運命の子はこの世には沢山いる。
汚い闇の世界を知るのが、ただ幼かっただけ。

その内の1人だと考え、任務に頭を戻す。

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しばらく出てくるのを待とうとターゲットの個人部屋近くの共同スペースの椅子へと腰掛けた。

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外に待機している間にジンに報告のメールを入れていると、隣に誰かの気配を感じた。

そして、少し目線を携帯の画面から外すと、赤いレースがフワリと風に揺れたのが視界に入った。

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設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
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トロ丸くん(プロフ) - 初コメ失礼します。凄く面白くて大好きです!ただ、理解者2から3にかけてがおかしくなっているので修正したほうがいいと思います。更新楽しみにしています! (2020年4月11日 9時) (レス) id: 1357d0851f (このIDを非表示/違反報告)
ぱる(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです!番外編とかでもっとジンとの絡みが見たいなぁと思ってますw更新頑張ってください! (2020年4月10日 15時) (レス) id: 51ee7cd96d (このIDを非表示/違反報告)
イアデビル(プロフ) - 面白いです最新待ってます頑張ってください (2020年4月2日 0時) (レス) id: ef5404f845 (このIDを非表示/違反報告)
斉藤さん - 続編おめでとうございます!待ってました!!今度はジンのターンですね( -ω- `)フッジン好きの私にはニヤけが止まりませんw (2020年3月20日 23時) (レス) id: 4ec1a4318b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:235711 | 作成日時:2020年3月15日 19時

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