馬鹿者16 ページ24
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コナンside
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パチパチパチと俺を賞賛するように手を叩きながら俺の方に歩み寄ってくるA。
コナ「A、、?」
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後半、姿は見えなかったがここにいるなんて...
ここにいるということは、まさかこちら側の回転した観覧車にいたというわけか?
一体今までこんな危険な中、どこにいたんだ??
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疑問に思っている間に既にAは俺の目の前にいた。そして俺の腕を掴む。
痛みを感じ「っ、」と、小さい悲鳴をあげた俺を、Aは小さく笑った。
何がしたいのか分からず疑問の顔の俺をまたおかしそうに笑ったまま彼女は言う。
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『よく被害を最小限に抑えれたね?でも...最悪君は死んでても何もおかしくはなかった。』
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淡々と事実を綴った感情のないセリフに俺はAの顔を思わず見た。
顔はまだ笑っている。
しかし、最後の言葉の方では目が全然笑っていなかった。俺を射抜くように真っ直ぐに見つめるAの瞳。
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俺を見ているようで見ていない目。
俺を通して誰かを見ているように。
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『キュラソーは、自分に攻撃が集中させるように動いてくれていた...自分を犠牲にして。
それに最後も......ねえ、
君はどれだけ命を無防備に晒していたのか、分かってる?
...あの時帰しておけば良かった。帰しておけば君は怪我しなくて済んだのに...でも、こうやって被害を小さくできたのは君のおかげだから、何にも言えない私が悔しい。』
今度は笑ってはいなかった。
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怒っている。
その怒りを、俺はようやく理解した。
いつ銃弾がどこに降ってくるかも分からない状況の中、ノックリストを守る事だけに専念して勝手に行動したこと。
あの時、ゴンドラを離された時、たまたまその場で離されたから助かったが、もしもっと高い空中で離されていたら??
掴んでいた機械でそのまま潰されていたら、、?
車軸の爆発の近くにいたら?
ふと、自分の命を無防備に晒していたかということに気付き、寒気を覚えた。
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『この馬鹿者...』
そう言ったAは完全に俺を見ていなかった。一体俺を誰に重ねて怒っているんだ?
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よる - イッキ見しましたー!2日かかった…(読むのが遅いだけ)面白かったです!更新待ってまーす!笑 (2020年3月14日 15時) (レス) id: c5f0e73031 (このIDを非表示/違反報告)
あやね - 更新まだですか?待ってます!! (2020年2月13日 0時) (レス) id: 4ec1a4318b (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが楽しみです。よろしくお願いします。 (2020年1月21日 23時) (レス) id: bae193555e (このIDを非表示/違反報告)
あやね - 更新まだですか.....? (2020年1月12日 23時) (レス) id: 4ec1a4318b (このIDを非表示/違反報告)
氷 - めちゃくちゃ面白かったです!個人的にルパン達との絡みを増やしもらったら嬉しいな、と。これからも頑張ってください! (2019年12月22日 20時) (レス) id: 0dd927e5ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:235711 | 作成日時:2019年10月13日 21時