馬鹿者14 ページ22
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『待て!キュラソー!頼む、待ってくれ!!』
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必死に動く上半身を動かす。
私の伸ばした手は宙を舞うことしか出来ない。
私の声は届かず、キュラソーは一度も振り返らずにクレーン車に乗り込んだ。
まさか、あんなので観覧車を止めようと??
無理だ。無理だ無理だ!!
潰されるのがオチだ!
動かない下半身。
キュラソー、、彼女の力なら絶対にこの上の瓦礫を退ける事が出来るのに、わざとそのままで行きやがったな、、、
くそ、今の私は完全にお荷物じゃないか...
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『クソッ!動け動け!!動いてくれよ!』
腕で体を瓦礫から出ようとするが、体制的にも力が入らず、まったく動けない。
だが、時間は動いている。
目の前ではキュラソーがクレーン車をものすごいスピードを上げ、回る観覧車に向かっている。
そこからは一瞬の出来事だったが、私にはスローモーションに見えた。
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クレーン車は観覧車に潰されていった。
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『...ぁ、、』
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キュラソーが死んだ。
回らない頭で唯一分かった事実だった。
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アイリ「アイツは良い奴だ。出来れば組織とは無縁でいて欲しかった...」
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先程のアイリッシュの言葉が頭を巡った。
アイリッシュがあんな風に誰かを思い出して語るなんて初めてだった。
そんな彼を動かした人物......守りたかった。
ごめん、アイリッシュ。
組織から抜け出せても、命が無かったら意味が無い。本当にごめん......
私は無力だ、私は馬鹿だ、私は...
キュラソーの1ミリも助けになれなかった...
そんな私に対してキュラソーは「ありがとう」と言った。感謝されるようなことは何もしていない。
なんで私の名前が分かったかなんてどうでもいい。
私なんかに感謝しないでよ...
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それに、さっきの彼女の覚悟した顔。
一体何が彼女をそうさせたんだ?
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よる - イッキ見しましたー!2日かかった…(読むのが遅いだけ)面白かったです!更新待ってまーす!笑 (2020年3月14日 15時) (レス) id: c5f0e73031 (このIDを非表示/違反報告)
あやね - 更新まだですか?待ってます!! (2020年2月13日 0時) (レス) id: 4ec1a4318b (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。続きが楽しみです。よろしくお願いします。 (2020年1月21日 23時) (レス) id: bae193555e (このIDを非表示/違反報告)
あやね - 更新まだですか.....? (2020年1月12日 23時) (レス) id: 4ec1a4318b (このIDを非表示/違反報告)
氷 - めちゃくちゃ面白かったです!個人的にルパン達との絡みを増やしもらったら嬉しいな、と。これからも頑張ってください! (2019年12月22日 20時) (レス) id: 0dd927e5ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:235711 | 作成日時:2019年10月13日 21時