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どどどど、となだれ込んでくる縦長のヒョロ男をひょいとかわし、ソファの上の降谷の隣に避難する。
床に膝をついておよおよおよ、と言っている弱りきった様子の幼馴染を引いた目で見つめていると、新一が慰めようと思ったのかさらに言葉を紡ぐ。
新「…あと、その人がFBIってのは確かだと思うから、その人きっとアメリカ人だよ。」
萩「ジャパニーズではなくアメリカンだと…!?」
これが萩にとってはクロスとなったようで、尚更かっこいいじゃねえか!と言いつつ項垂れている。
諸「でも、どうしてアメリカ人って分かるんだ?」
降「FBIになるには、米国市民でないといけないんだ。」
諸「へぇ…。じゃあそのAちゃんの知り合い、日本語がペラペラなアメリカ人か、日本人なのにアメリカ国籍をとったすごい人かのどっちかなんだね。」
すごいなぁ、と諸伏が瞳をキラキラさせながら言っているが、問題はそこじゃねえ。
なんでAが、そんなやべえやつと知り合いで、しかも彼氏でもないのに今も電話が掛かってくるんだって話だろ。
工「….萩原くん?どうしたの?」
タイミングが良いのか悪いのか、聴こえた声に顔を上げるとAが部屋に戻ってきたようだった。
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「…ああ…、萩原くんにさっきの電話、見られてたのね…」
みんなの待つ部屋に到着すると、がっくりと項垂れている萩原くんがいた。…うん、どういう状況?
ソファに座るみんなの様子は冷静そのもので、みんなにこの状況を説明してもらったところ、どうやら赤井さんとの電話を萩原くんに聞かれてしまったようだった。
「話せば長くなるなあ…。」
松「新一、お子様はそろそろ寝る時間だぜ。」
新「えっ、嫌だ。寝ないからな!…俺何度かホームズ読んで夜更かししたことあるし!てかまだ8時じゃねえか!ガキ扱いすんなよ!」
幼い弟にこれから話す長い物語が伝わるのか、と少し心配になるが、新一くんなら大丈夫か。彼の目をチラリと見ると、好奇心でキラキラと輝いている。
「電話の彼と出会ったきっかけはね、…私が大学の研究室の教授に騙されたことだったの。______ 」
そう、あれは2年前の、夏。丁度今みたいな、暑い夏だった。
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青空(プロフ) - あおいさん» ありがとうございます!!!とっても嬉しいです‼︎ (6月29日 21時) (レス) id: 5e94745166 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 大好きです!!!!!更新頑張ってください!!!待ってます! (6月19日 7時) (レス) id: 418dda50ad (このIDを非表示/違反報告)
ホワホワ - 1日遅れですが読みました!続きが気になりすぎます!これからも応援してます! (5月29日 21時) (レス) @page41 id: 264214b0c8 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - ホワホワさん» いつもありがとうございます‼︎今日出したお話も楽しんでくださいね‼︎🌸ホワホワさんのコメントに助けられて3つも更新できちゃいました!🤭 (5月28日 23時) (レス) id: d616d8a279 (このIDを非表示/違反報告)
ホワホワ - めっちゃ面白いです!更新待ってます!頑張ってください! (5月25日 22時) (レス) @page38 id: fb5e568a3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青空 | 作成日時:2022年5月3日 9時