68: side 松田 陣平 ページ22
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ガチャリとレバーハンドルが下がる音が聞こえたかと思うとバタンっと大きな音を立てて部屋に転がり込んできた萩原。
…なんだ、この既視感。
どこか見たことのある景色に首を傾げる俺のことなんてお構いなしに、俺の幼馴染は真っ直ぐ新一の方を見て叫んだ。
萩「新一くん!!!Aちゃんって彼氏いるの!?!?それもジャパニーズでFBIなイケメンの!!」
新「…っ何、急にどうしたの萩原さん。」
Aが絡むと途端にポンコツになる萩原なんて俺たちは見飽きているからいつも相手にせずあしらっているが、今日が殆ど初対面になる新一は慌てている萩原に驚いたようで。親切にも静かにリモコンを持ち上げ、見ていた推理物のドラマを消した。
「…いいのか?新一が楽しみにしてたドラマじゃなかったのかよ。」
新「いいよ。…もう犯人もトリックも分かっちゃったしね。」
諸「えっ!?新一くん本当に!?はやいな…」
新「…で、萩原さん。もう一度、落ち着いて教えてくれるか?」
ふっ、やべぇ。萩のやつ小学生に冷静さ負けててクソおもろい。
しどろもどろになりながら、萩が急にFBIやらAの彼氏やらのことを口走った経緯を振り返り始めた。
萩「Aちゃんが男と電話してる現場に居合わせて、というかその会話を盗み聞きしてて、そしたらAちゃんが、あなたはFBIの何たらかんたらって電話の相手に言い出して、、もう俺訳わかんないんだけどさあ!?Aちゃんアメリカ帰りだって言ってたけどそんなハイスペック野郎と知り合いなんて聞いてない!
…ねえ!新一くんこれ一番大事ね、Aちゃんってアイツの彼女!?」
泣く!嫌だ!とワンワン言っている萩を、俺含む5人は引いた目で見ている。
…あー、思い出したぜ、この既視感。入校式の日にAの家族を見ちまった挙句、俺がAに肘鉄かまされてんのを目撃したときの萩原とおんなじだわ。…そのあと今新一がされてるみたいにギャーギャー詰め寄られたんだった。
新「…その人は姉さんの彼氏さんじゃない…と思う。」
萩「ほんとにっ!?」
新「…多分、だけど。俺も何度かその人からの電話に出たことあんだよ。いっつも家の固定電話に国際電話で掛けてくんだけど、最近は姉さん警察学校にいたから代わりに。彼氏っていうより仕事仲間って感じだった。」
萩「…」
「おい萩、息しろ。」
萩「っはあっ、…ううああああ、じ、じんぺーちゃんーーー!!!」
「うわ、きも、こっちくんなやめろ萩!」
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青空(プロフ) - あおいさん» ありがとうございます!!!とっても嬉しいです‼︎ (6月29日 21時) (レス) id: 5e94745166 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 大好きです!!!!!更新頑張ってください!!!待ってます! (6月19日 7時) (レス) id: 418dda50ad (このIDを非表示/違反報告)
ホワホワ - 1日遅れですが読みました!続きが気になりすぎます!これからも応援してます! (5月29日 21時) (レス) @page41 id: 264214b0c8 (このIDを非表示/違反報告)
青空(プロフ) - ホワホワさん» いつもありがとうございます‼︎今日出したお話も楽しんでくださいね‼︎🌸ホワホワさんのコメントに助けられて3つも更新できちゃいました!🤭 (5月28日 23時) (レス) id: d616d8a279 (このIDを非表示/違反報告)
ホワホワ - めっちゃ面白いです!更新待ってます!頑張ってください! (5月25日 22時) (レス) @page38 id: fb5e568a3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青空 | 作成日時:2022年5月3日 9時