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死神13 8 ページ37

花京院Side

案外すぐに勝負はついた。特殊なスタンドだが、タネが分かってしまえばどうということはない。

承太郎たちは先に目が覚めたようで、もういなくなってしまった。

「さて、傷も治ったことだし…そういえば」

僕もそろそろ目覚めるだろうか、と思っていたとき、とても重要なことを思い出した。

「おい、死神13(デスサーティーン)。灯をどこへやった」

「は、はあ?灯?誰だよそいつ。おれはお前らしか…あ」

死神13(デスサーティーン)は何かを思い出したかのように固まる。

「…一応心当たりはあるぜ。オメエらが飛行機に乗ってたとき、眠っちまったやつに悪夢を見せてたからな」

彼女は墜落より前から眠っていたのか。

「それで、今どこにいる」

「分かるわけねえだろ!?おれはこの夢を好きなように操れるが、全体を一気に見回したりとかは出来ねえんだからな!」

「なら探せ」「アッハイ」

かく言う僕もじっとしているわけには行かない。早くしないと僕が目覚めてしまう。

…それにしても、なぜ灯はずっと目を覚まさないんだろうか。現実の方で何度か声をかけても目を覚まさなかった。

彼女の身に何かあったのだろうか。心配だ。

「おい、花京院!」

呼ばれて、ふと我に返る。場所の目星がついたようだ。

そこには大きく重そうな扉があった。南京錠がついているが、外れてしまっている。

「灯?そこにいるの、か…………」

真っ暗な空間の中に見えるのは、力なく座り込んでいる彼女と、

___沢山の、人の死体だった。

あまりの量に吐き気がする。とにかく急いで、灯を連れて部屋から出た。

「灯、…灯?大丈夫かい」

『っ…!!か、きょういん?ここは…』

ぼんやりした表情が、段々元に戻ってくる。…良かった、命に別状はないみたいだ。

「ここは敵スタンドがつくった夢の世界だ。でももう倒してあるから心配しなくて良いよ」

『そう…』

返事をする彼女の顔は、どこか疲弊していて、暗い。

(…何か隠している)

しかし、僕がどうしたのか聞くより先に、時間が来た。目を覚ましたようだ。

前が真っ白な光で見えなくなる。

(現実世界に戻ったら、話を聞いてみよう)

審判…という名の閑話休題 1→←死神13 7



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圧倒的睡眠不足(プロフ) - 柱の男の餌さん» 読んでくれる人が増えただけで号泣モンです…読んでくれてありがとうございます!最近スランプ気味なので更新遅いですがその一言でスランプを再起不能に出来た希ガス。頑張りますね! (12月9日 18時) (レス) id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
柱の男の餌 - うおぉぉ…!なんだか世界観に引き込まれるような気がして一気読みしてしまいました!(語彙力)更新楽しみにしています! (12月9日 17時) (レス) @page21 id: be6e33eff1 (このIDを非表示/違反報告)
圧倒的睡眠不足(プロフ) - えお気に入り登録増えてる…!?ありがとうございます!! (11月25日 17時) (レス) id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:圧倒的睡眠不足 | 作成日時:2023年10月21日 14時

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